【北京=西見由章】中国の上海市第一中級人民法院(地裁)は7日、2015年6月に同市で中国当局に拘束された日本語学校職員の日本人女性(57)について、刑法のスパイ罪で懲役6年の実刑判決を言い渡した。5万元(約82万円)の財産没収も命じた。日本政府関係者が明らかにした。 15年以降、スパイ活動に関与したなどとして情報公開もないまま日本人の男女12人が拘束され8人が起訴された問題で、実刑判決が出たのは3人目。今年7月には愛知県の男性が懲役12年の実刑判決を受けたほか、神奈川県の男性は懲役5年を言い渡されている。 10月に中国を公式訪問した安倍晋三首相は習近平国家主席との首脳会談で、拘束されている日本人の解放に向けて「前向きな対応」を求めていた。また5月に李克強首相が訪日した際の首脳会談でも同様の要求を伝えていた。 にもかかわらず日本人への実刑判決が3人相次いだことで、こうした日本側の主張を無視す