場所 OHGAKI(完全リモート) 日時 Day3 2021年7月16日(金) 14:45~15:15(05分) 概要 RFC9000で標準化が完了したQUICはUDP443番ポートを使うプロトコルです。それが故にIPv4のNATルータとの間で起こる問題について考察したいと思います。 発表者 川上 雄也(NTTコミュニケーションズ株式会社) 公開資料 公開資料
「QUIC-based UDP Transport for SSH」という提案が提出されています。 トランスポートプロトコルとしてQUICを利用することで、様々な恩恵を受けることが出来ます。 ユーザランドでコネクションが管理されるため、TCPとは異なりOSレイヤのでコネクション切断の影響をうけない IPアドレスが変わっても接続を維持できる(コネクションマイグレーション) 経路上の第三者による切断に耐性がある(QUICでは通信の切断にも鍵が必要) 個人的にも、SSHがQUIC上で動作することで切断しづらくなることを期待しております。 それでは、この仕様についてざっと見ていくことにしましょう。 ただ、まだまだこれから議論がされる提案仕様ですので、設計は大きく変わるでしょう。 QUIC-based UDP Transport for SSH の概要 QUICは内部的にTLSハンドシェイクを行って
Why FastlyProductsServicesSolutionsDevelopersPartnersResourcesPricing QUIC matches TCP's efficiency, says our research. | FastlyWe’ve shared a lot about how much we love QUIC (and why we’re building our own implementation called quicly). It promises latency reduction, improved throughput, resilience to client mobility, and increased privacy and security. Excitingly, the QUIC working group at the I
現在標準化が進められている次世代HTTPの「HTTP/3」は、トランスポートプロトコルとして「QUIC」と呼ばれる新しいプロトコルを採用します。 現時点のHTTPはトランスポートプロトコルとして「TCP」が採用されています。その上で、可能な限り高速な通信が行えるようにさまざまな工夫や最適化が進められてきました。そしてもうこれ以上高速にしようとすると、TCPそのものを改善していくべきだろう、というところまできたのです。 それがHTTP/3で「QUIC」が採用される大きな理由といわれています。 TCPは内部で輻輳制御や再送などを自動的に行うことで通信が確実に行われることを保証してくれる便利なプロトコルですが、それゆえに、確実に通信が行われるまで待つ必要があるために通信環境によっては遅くなりがち、などの側面があります。 そこでQUICは、TCPのような通信の保証がない代わりにリアルタイム性の高い
(落ちの無い話です) [追記] IETF107 (2020/03/25)において、Googleでの利用例が共有されました。それについて、記事最後に追記しました。 公式な情報はまだないが、GoogleがQUICコネクションをVPNとして利用する「QUIC as a VPN (QBone)」なるものを作ってるのは窺い知ることができる。 2017年6月に、GoogleでQUICの開発に携わっているIan Swett氏より「QUIC Messages」という提案書が出ている。この提案書の、提案背景の章で「QUIC as a VPN (QBone)」は登場する。 Today, most production QUIC traffic is HTTP. However, developers are actively working on running WebRTC over QUIC (aka Q
QUICについて (2020/06 追記) 手前味噌ですが、QUICについて別途まとめましたので、参考にして頂ければ 2020/06/01 時点でHTTP/3, QUICの解説書を書きました https://github.com/flano-yuki/http3-note あわせて個人ブログもどうぞ QUIC, HTTP/3の標準化状況を確認したい (2019年11月版) QUICの話 (QUICプロトコルの簡単なまとめ) HTTP over QUICと、その名称について (HTTP3について) QUICとは QUICとはGoogleの考案したHTTPのメッセージを効率よく高速かつ安全にやりとりするためのプロトコルであり。UDP上でTCP+TLS1.3+HTTP/2のような機能を持ち、信頼性のある安全な通信を行う。 スタック図を見ると分かる通り、TCPのような輻輳制御やロスリカバリと、TL
プログラムを書いていると、素直に実装した結果として毎回特定の条件が満たされているけど、本来それは誰も保証してないという場面に出くわすことがよくある。保証されていない偶然の動作に依存することで生じるバグというのはかなり多い。 例えば最近では、ドラゴンボールZ ドッカンバトルというゲームで、2回SQL文を実行した結果が同じ順序で並んでいるという誤った期待をしているコードがあったせいで、ガチャの確率表示がめちゃくちゃになってしまって、運営が確率操作しているのではないかという騒動が発生したことがあった [1]。データベースでは空のテーブルにデータを追加してその直後に読み返すと、データを追加した順番に結果が返ってきたりしがちなので、問題のコードはきれいなテスト環境では偶然うまく動いてしまったのだろうと思う。 上のようなバグを防ぐために最近よく使われているのは、本来保証しないところをわざと壊すという方
2020/04/28 追記 仕様の名前が少々変わりましたが、WG Draftとなり作業は引き続き続けられています。 「Specification of DNS over Dedicated QUIC Connections」 QUICの標準化とアプリケーションレイヤ IETFでQUICの標準化が活発に行われており、トランスポート・TLS・HTTP各レイヤのドラフト仕様の改定が進められております。 標準化を行うにあたって当初より、DNSのトランスポートとしてQUICを使用したいという話題は出ていましたが、QUICワーキンググループのチャーターでは、まずはQUICのアプリケーションレイヤとしてHTTPの標準化を行ってから他のアプリケーションプロトコルについて進める旨書かれている。 とはいえDNS over QUICをやりたい人はいるようで、4/11にインターネットドラフトが出されている。共著者
2022/05/16 動きがあったため、記事を新しく書きました asnokaze.hatenablog.com 「Hypertext Transfer Protocol (HTTP) over multicast QUIC」で、マルチキャストのQUIC上でHTTP通信を行う仕様が提案されている。マルチキャストQUICは単方向通信であり、その上でサーバプッシュを行う感じである。 現状QUICの仕様ではIPマルチキャストの利用は想定されていない(もちろん双方向通信)ため、この仕様ではQUICのトランスポートレイヤ、HTTPレイヤを利用しつつも、IPマルチキャストを利用できるように一部の変更(制限)を加えている。 BBC Researchの方が書かれているので、主に動画像配信での利用を考えているんだと思う。 ざっと仕様を読んだのでかいつまんで特徴を紹介する。 また、QUICの仕様はまだ変わる可能
20190408追記 最新版について記事を書きました asnokaze.hatenablog.com QUICのヘッダ圧縮であるQPACKについて 現在のQUICの策定中仕様の一つである「Hypertext Transfer Protocol (HTTP) over QUIC」では、QUICでもHTTPヘッダの圧縮にHPACKを使用することになっていますが、新しくQUIC用のヘッダ圧縮方式として「HTTP over QUIC - Mapping and Header Compression」という仕様でQPACKなるものが提案されています。 背景 QUICとHPACK HTTP/2ではヘッダ圧縮方式としてHPACKと呼ばれる方式を利用します。HPACKはRFC 7541「HPACK: Header Compression for HTTP/2」で標準化されています。 HPACKはヘッダ名と
QUIC(Quick UDP Internet Connections)プロトコルは、TCPではなくUDPをベースとして開発された、全く新しいWeb向けのプロトコルです。 (冗談で) TCP/2 と呼ぶ人までいます。 私がQUICについて知ったのは数週間前のことです。 SysCast Podcastのcurlとlibcurlについてのエピソード を聞いていた時でした。 QUICプロトコルの本当に面白い点は、UDPへの移行というところだと思います。 現在、Webの伝送プロトコルは、信頼性を確保するため、TCP上に構築されています。このTCP接続を開始するためには、 3wayハンドシェイク が行われています。つまりこれは、接続を開始するたびにラウンドトリップ (ネットワークパケットの往復) が追加されるということであり、新たな接続先に対し大幅な遅延を生じさせているのです。 (出典: UDPを介
HTTP 1.1 forced both developers and browser vendors to invent different tricks in order to make sites to load and run faster. HTTP 2.0 and QUIC will provide many significant improvements overt HTTP 1.1. In this talk I will give an introduction to both protocols and emphasize why are they so important for the Web development workflow and performance.
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