レンタルで、ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』。 60年代、“ビッグ・アイズ”というシリーズを描いた画家のマーガレット・キーンと、彼女の作品を「自分が描いた」と偽って世界中で売りさばいた夫、ウォルターの対立劇であり、家庭の崩壊、夫婦の破滅と反比例するように、女性が権利と自尊心を獲得していく過程を描いていく。 ■ 映画冒頭、元夫のもとを逃げ出したマーガレットは、車の運転席から、後ろに座る娘へと手をのばし、2人は手を握りあう。 同じ構図が、後半でくり返される。ラジオに出演し、「“ビッグ・アイズ”を描いたのは、私です」と、初めて告白するマーガレット。その背後、スタジオのガラス窓の向こうに、誰かが座っている。ピントが合うと、すっかり成長した娘であることが分かる。 もう一度、夫との公判中、マーガレットの後ろの傍聴席に、やはり同じ構図で娘が座っている。そして、冒頭シーンと同じように、2人は手を握り