パナソニックが、在庫リスクを負担する代わりに価格決定権を持ち、店頭での値引きができない制度の導入を進めている。かつてメーカーの力は絶大で、戦後経済は小売店がメーカーから価格決定権を奪うという流れで消費経済が発展してきた。だが、ここに来て、その流れが逆転する可能性が見えてきた。 メーカーと小売店、「価格主導権」をめぐる争い 卸や小売店など流通部門における製品の販売価格をメーカー側が拘束することは独占禁止法違反となる。メーカーは、自社の製品について、何円で売って欲しいという希望を表明することはできるが(希望小売価格)、これを小売店などに要請することはできない。製品のカタログに「オープン価格」などと表示してあるケースをよく見かけるが、これはメーカー側がいくらで売って欲しいのかについて具体的な数字を示していないことを意味している。 製品の価格を決めるのはメーカーではなく、あくまで小売店や消費者であ
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