日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の会長として君臨してきたカリスマ経営者、カルロス・ゴーン容疑者(64)の突然の逮捕劇は、「ゴーン1強」体制となっていた日産の企業統治の不全を浮き彫りにした。過度な権限集中が招いた剛腕経営者の突然の失脚に、国内外で波紋が広がった。 「43%の株を持つルノーのトップが日産のトップを兼任することはガバナンス(企業統治)上、1人に権限が集中しすぎた」「長年にわたる統治の負の側面と言わざるを得ない」「当然、解任に値すると理解している」 日産自動車の西川(さいかわ)広人社長は、ゴーン会長らの逮捕を受け、19日夜に緊急に開いた記者会見で終始、ゴーン会長を突き放す言葉を繰り返した。「極端に特定の個人に依存した形ではなく、良い見直しの機会になるのではないか」とも述べた。 今夏発覚した出荷前の自動車の排ガス・燃費データの改ざん問題では、記者団への説明の場をほとんど設けなかった西