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ブックマーク / www.wound-treatment.jp (59)

  • 新しい創傷治療:イソジンゲルは危険

    【目 的】 前回に引き続き,角質破壊創面にイソジンゲルを塗布する実験を追試する。 【Material and Method】 筆者の左大腿内側近部部を実験部位とし,ガムテープで張っては剥がす操作を60回行って角質を破壊し,ここを二つに分け,近位側をイソジンゲル塗布,遠位側をプラスモイスト貼付部とし,痛みの程度と創面の変化を観察した。創面の変化は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は65倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:自分の体で人体実験

    【目 的】 イソジンゲルも感染創,術後離開創,その他のさまざまな傷の治療に使われている。しかし,果たして傷に塗ると傷が治るのか,治癒を阻害するのかについての実験は過分にして知らない。なければ自分で実験するしかない。 【Material and Method】 自分の右下腿内側近部部を被検部位とし,強力なガムテープを「張っては剥がし」を40回ほど繰り返して皮膚表装(角質)を破壊した。この部位を二つに分け,近部部をプラスモイストで被覆し,遠位部はイソジンゲルを塗布してガーゼで覆った。実験は3月13日朝から始めた。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:イソジンによる人体実験

    【目的】 これは前回の人体実験と同じだが,角層の破壊をより念入りに行った。 【Material and Method】 実験部位は筆者自身の右前腕近部部橈側。今回の角層破壊は50回とし,より深く皮膚を破壊してみた。実験部位は三等分し,イソジン塗布,乾燥,そして湿潤状態としたが,今回の湿潤治療はプラスモイストで行った。撮影はいつものDino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 ポピドンヨード(イソジン(R))を傷に塗るとどうなるのだろうか。当に傷の治癒を障害するのだろうか。細胞レベルでは細胞障害性は確認されているが,人体でそれを確認した実験はまだないようだ。ならば自分の体で試すしかない。 【Material and Method】 筆者自身の左前腕伸側遠位に角質損傷モデルを作成し(ガムテープを張っては剥がし・・・を30回繰り返した),それを3つに分け,それぞれイソジン塗布,ドレッシングで覆わずに乾燥,ワセリンを塗布してフィルム材で密封とした。イソジンとワセリンは一日数回塗布とし,塗布する前に十分に水道水でしてから再度塗布した。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,倍率は65倍前後とした。 【結 果】

  • http://www.wound-treatment.jp/next/wound232.htm

  • 痒みに関する人体実験

    『痒みに関する人体実験 1』 病院では半袖の白衣で生活しているが,空気が乾燥しているためか,時々,露出部の前腕などが猛烈に痒くなる事がある。こういう時に掻くと気持ちいいが,気持ちがいいのはその時だけで,掻いた後に更に痒くなる。どうも,掻くことによって皮膚が傷つけられ,それで更に痒みが惹起されているらしい。皮膚が傷つくと痛いけれど,痒みと言うのは実は,「一番軽い痛み」なんでしょう。 キズがついて痒いのであればキズを治せば痒みはなくなる,というわけで,ワセリンを塗ったり,フィルム材を張っておくと,実は痒みは止まってしまう。これらを塗布したり貼付したりすると,掻いても皮膚が傷つくわけでないから,そのうち痒みも忘れちゃう。 そこで自分の体を使って人体実験してみた。痒くなったところの半分はワセリン,残り半分は痒み止め軟膏(ステロイド入り)を塗布してみた。何度か試してみたが,両者で差があるのは塗布した

  • 新しい創傷治療:

    【目 的】 砂などが付着した擦過創をブラッシングする際,患者が幼児だったり,受傷面積が広い場合にはキシロカインゼリーを塗布してラップで密封し5分程度置くと無痛になることを経験的に知っているが,当にどの程度の鎮痛効果が得られるのか,キシロカインスプレーではどうなのかを調べるため,自分の上腕で実験した。 【Material and Method】 自分の左上腕屈側に荷造り用テープ(いわゆるガムテープ)を50回ほど「張っては剥がす」行為を繰り返して角層を破壊し,ここにキシロカインゼリーを塗布してパーミロール(接着剤つきフィルム)で密封した。密封1分後,3分後,5分後に26G針でPin Prick Testを行って痛みの程度を調べた。 また,キシロカインスプレーでも同様の実験を行った。 【結 果】 キシロカインゼリー 塗布して数秒後,ピリピリした痛みがわずかにあるが気になる程度ではない。 1分後

  • 新しい創傷治療:

    20回目を越えるあたりから痛みが強くなり,28回目終了時に「これ以上続けたら間違いなく出血する」という確信があり,マゾヒスティックな気分も十分に味わえたため,これにて打ち止めとした。 10回目あたりからガムテープを剥がしたところに徐々に発赤が認められ,20回目ではかなり赤くなった。 顕微鏡による観察では,8回目あたりから明らかに皮膚紋理が浅くなり,皮膚表層が損傷されていることがわかる。 肉眼的にはっきりわかる変化を起こすためには20回以上繰り返すことが必要だが(それ以前だと写真を撮ってもあまりわからないから),顕微鏡で観察する分には8~14回で十分と思われる。 皮膚損傷の変化,および,各種の皮膚潰瘍治療薬の変化を見るには,この「ガムテープを張っては剥がす」方法は有用である。 ハンドソープによる皮膚の変化と比較すると,ハンドソープによる損傷はいかにも薬品で溶かしたというようにぬめっと一様に変

  • 新しい創傷治療:

    「白色ワセリンを塗ると汗が出なくなって汗疹になるのでは」,「白色ワセリンで日焼けしないか?」,「白色ワセリンで毛穴をふさぐとニキビになるのでは?」という質問を時々頂く。 2ヶ月くらい前から,「日中,外に出るときは右前腕だけにたっぷり白色ワセリンを塗り,なるべく日陰に入らずガンガン日に当たるように歩く」ようにした(・・・とは言っても,日中,外を歩くのは週末くらいだけど)。白色ワセリンを塗った腕には極力手を触れないようにしてワセリンが取れないようにした。 結果であるが,左右の前腕と比較してみたが,肌の状態,皮膚の色調に左右差はなかった。かゆみ等の症状もなく,日焼けの状態も左右差はなかった。少なくとも私の皮膚に対し,「ワセリン+日光(熱)」は悪影響を及ぼさないようである。 容器に入っている半固形の白色ワセリンを紙の上に置き,それを直射日光当たりまくりのベランダに置いてみた(ちなみにその日の最高気

  • 新しい創傷治療:

  • 新しい創傷治療:乾燥と湿潤の比較

    【目 的】 創傷治癒の基は湿潤環境の維持であるが,それは当に正しいのだろうか。もしかしたら乾燥とあまり変化がないのではないだろうか。そういう原点に戻って人体実験した。 【Material and Method】 自分の左前腕近部部屈側に角質欠損創を作り(ガムテープを張っては剥がし,を30回ほど繰り返した),ここを二つに分け,一方は乾燥(何も覆わない),一方は乾燥を防ぐためにワセリンを一日数回塗布した。一日一回,実体顕微鏡Dino-Lite Plusで観察した。実験はは2008年2月29日に開始し,3月4日まで行った。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    「熱傷で大学病院形成外科・熱傷センターを受診してはいけない」,「ゲーベンクリームは熱傷創面を破壊する」という二つの事実を教えてくれる貴重な症例写真です。 症例は30代女性。1週間前に熱湯で左上肢に熱傷を受傷し,某大学形成外科で治療を受けていました。治療法法は「消毒してゲーベンクリームガーゼで覆う」という方法でした。 5日目,外来担当医から「これは皮膚移植をしないと治らない。明日入院して,手術しましょう」と告げられました。しかし,「仕事もしているし,入院なんてできないよ。いきなり入院といわれて困っている」と職場の知人に相談したところ,「やけどはラップで治るって雑誌に載っていたよ。手術しなくて治るらしいよ。石岡市の病院に先生がいるみたいだから,受診してみたら?」とアドバイスされ,翌日,当科を受診しました。 初診時の状態。ごらんのようにゲーベンクリームがべっとり塗られたガーゼが創面を覆っていまし

  • 新しい創傷治療:ゲーベン(R)は傷を深くする

    【目 的】 熱傷治療で広く使われているのがゲーベンクリーム(R)だが,実は「浅い熱傷には使用してはいけない」という注意事項があるのに,それを知らずに使っている専門医がかなり多いのが現実だ。また,この薬剤は熱傷以外にも,広く感染創の治療に使われている。 一方,この薬剤が創面に対してどう作用するかについてを調べた実験は存在しない。ならば自分でやるしかない。 【Material and Method】 自分の左肘部屈側を実験部位とし,ガムテープを30回連続で張って剥がし,角層損傷を行った。ここを二等分して尺側をゲーベン塗布,橈側を乾燥部位とし,一日に4~6回,実験部位を洗ってゲーベン塗布し直した。実験は2008年2月29日に開始し,結果が得られるまで続けた。 観察は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は60倍とした。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:ゲーベンクリームは最悪

    我が身を犠牲に(?)してのゲーベンクリームに関する簡単な予備的人体実験をしました。太腿を市販のナイロンタオルで思いっきりこすり,真っ赤になったところを3つに分け,それぞれを「何もしない(=コントロール)」,「ゲーベンクリーム塗布」,「白色ワセリン塗布」にして経過を観察する,という単純な実験です。その結果は以下の通りでした。なお,時間は実験開始からのものです。 塗布直後:ほとんど差はない。 塗布から3分後:コントロールとゲーベン塗布の部位だけピリピリとした痛みがある。ワセリンの部位には症状なし。 10分後:コントロールとゲーベン塗布の部位はさらに痛みが強くなるが,ワセリンの部位は正常部分と同じ。触ってみても,コントロールとゲーベン塗布部位はざらついているのがわかる。 45分後:安静にしていても痛いため,ゲーベンを拭き取り,ワセリンを塗布してサランラップで覆う。 47分後:痛みが軽くなる。 5

  • 新しい創傷治療:尿素クリーム

    【目 的】 前回の実験で10%尿素含有ハンドクリームの皮膚に対する破壊作用を観察したが,それが基剤のクリームによるものなのか,尿素によるものかは判断できなかった。そこで,10%尿素含有クリーム(アトリックス尿素10%クリーム)と20%尿素含有クリーム(ケラチナミンコーワ軟膏(R))を正常皮膚に作用させ,どのように変化するかを調べる。 【Material and Method】 自分の左前腕尺側近部部に近接した2箇所の直径1センチの部位を決め,ここを実験部位とした。各々に10%尿素含有クリームと20%尿素含有クリームを塗布してフィルム材のパーミロールで密封した。 一日に2回から4回,クリームを洗い落としてその部位を実体顕微鏡Dino-Lite Plusで観察し,再度クリームを塗布してパーミロールで閉鎖した。 【結 果】

  • 新しい創傷治療:

    私が10年ほど前に考えついた手指の包帯の巻き方です。ほどけにくく,抜けにくく,しかも見た目に美しいという私オリジナルの方法です。とりあえず,次の動画をご覧下さい。 bandage.mov(50.9MB。視聴にはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから) ケガをした指を伸ばす。 [手首背側]⇒[指先]⇒[手首掌側]⇒[指先]⇒[手首背側]⇒[指先]⇒・・・と数回,包帯を往復させる。 手首で包帯を数回巻き,上述の「往復」させた部分を固定 手首背側から手背を通過して指尖部に向かう。この動画では手首撓側から指尖部に向かっている。 指尖部から指近位に向って包帯を巻く。もちろん,ケガをした部分はちょっと厚目に巻く。 指基部から手背を通って手首に向かう。動画では手首尺側に向かっているが,これは4の逆方向である。左右対称になってきれいに見える。 手首を数回巻く。 母指・示指間を通して手掌も数

    maple_magician
    maple_magician 2010/07/24
    美しい、これがプロの技か……。
  • 新しい創傷治療:人体実験シリーズ

  • バイオクリーンルームでの手術,本当に必要?

    クリーンルームというのがある。医療関係者なら誰でも御存知だろうが,わかりやすくいうと,空中の微細な粉塵や細菌を除去した部屋,という意味である。要するにエアフィルターで細菌などの「感染の原因となる邪魔者」を取り除き,感染が起きない状態で手術をしようというシステムだ。 外科手術では臓器移植や人工骨頭置換術など,感染が絶対に起きて欲しくない手術でよく使われる。またインターネットで「クリーンルーム 手術」で検索してみると,クリーンルームを持っていることを売り物にしている眼科の病院(白内障などの手術を清浄な環境で行うので感染しないと宣伝している)や歯科医院(人工歯根移植を清潔な部屋で行うので感染しないと宣伝している)がかなりあることがわかる。 「手術の感染予防のために空気まで清浄にしているんだから,安全に手術を行える」というのは何となく納得させられるのだが,これは当なのだろうか? 空気中の粉塵や雑

  • 夏井睦HP 新しい創傷治療

    2023/09/23 【全治療例の経過】 55歳F:背部・上肢3度熱傷 【昨日寄せられたコメント】 【いろいろな情報や小ネタ系】 ネットを毎日使い続けた子どもの3年後の脳画像が衝撃…認知機能、記憶や学習に関わる海馬のほか、言葉や感情を処理する領域の発達が止まっていた いろいろな面で良くないようです。 6度目の大量絶滅により驚くほどの速さで生命の樹が刈り取られていると科学者が警告 属レベルで生物の絶滅が進んでいます。もちろん、その原因は人間様。地球が豊かな生態系を維持するには人間が多すぎます。 単一の生物種の大繁殖で他の生命体が絶滅した例としては、27億年前のシアノバクテリアの大繁殖以来じゃないでしょうか。あの大酸素化イベントでは大量の嫌気性細菌が絶滅したと考えられています。それ以外にはないと思います。 ロシア高2新教科書、ウクライナに関する嘘満載で不都合な歴史は抹消...編者は歴史家でなく

    夏井睦HP 新しい創傷治療
    maple_magician
    maple_magician 2005/02/11
    はじめにこで2005年に湿潤療法を知った。糖質制限もここで知ったし、2012年5月に『糖質制限食のススメ(山田 悟)』を買ったっけ。というか、糖質制限始めてからもうすぐ丸7年経つのか……時の流れの速さは恐ろしい。