ミツカンの創業は1804(文化元年)年。尾張国知多郡半田村で酒造業を営んでいた中野又左衛門が、酒粕を原料にした粕酢の醸造に成功し、分家独立して始めた。写真は大正時代に建てられた工場。 7代目社長の中埜又左エ門(故人・4代目から「中埜」に改名)。大量生産システムとスーパーマーケットを中心とする食品ルートを開拓し、会社の規模を飛躍的に大きくしたカリスマ的存在だった。ミツカンの第2創業者とも言われる。 一家四人が揃って鍋を囲みながら、団欒のひとときを過ごす──。 冬の鍋料理は風物詩のようなものだ。日本人なら誰の記憶の中にもある、食の原風景。核家族化が進んだ今となってはいささか珍しい光景かもしれないが、高度成長期に幼少期を過ごした世代にとってコタツを囲んだ鍋料理は、当たり前のように存在した冬の定番メニューだった。 そして、鍋の傍らにはいつもミツカンの「味ぽん」があった。鍋の具材が何であれ、最後にそ