本格的なDXを開始してから約1年。売り上げは伸び、労務環境も大きく改善した。EC(電子商取引)サイトも開設し、慣れない配送業務も増えて社員は多忙になったが、職場は活気に満ちている。 たった1年ほど前までは、売り上げの低迷が深刻で事業の継続すらも危ぶまれる状況に陥っていたが、今は復活の兆しが見えている。一体、何があったのか。 飲食店需要が激減し、追い打ちをかける 金井酒造店は創業154年、神奈川県秦野市にある酒蔵として地元で愛され続けてきた。主力商品は名水で知られる丹沢山系伏流水を使った「白笹鼓(しらささつづみ)」。白笹鼓の特別純米は、米のもつ芳醇(ほうじゅん)な香りとうま味が存分に感じられると人気だ。 だが、佐野社長は専務時代からずっと、自社の厳しい経営状況を目の当たりにしてきた。2019年に社長になり、経営の改善に本腰を入れるが、飲酒人口の減少による売り上げの低迷、冬場の仕込み作業におけ
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