地震の影響で割れたとみられる蛇石 福島県二本松市安達ケ原の観世寺の境内で、国指定名勝「黒塚の岩屋」の巨岩が割れていたことが18日までに分かった。16日夜の同県沖地震の影響とみられる。 17日早朝、中村孝純住職(78)が、鬼婆が住んでいたとされる岩屋を構成する笠石などのうち「蛇石」が割れているのを見つけた。蛇石は出刃洗の池(血の池)の隣にあり、高さ約3メートル、幅約7メートル。国指定名勝のため、管理者の観世寺が文化庁に毀損(きそん)届を提出する。25日に総代会を開き、今後の方針を話し合う。 同所は「安達ケ原の鬼婆(ばば)」伝説で知られ、能や歌舞伎、浄瑠璃などの舞台になっている。松尾芭蕉や正岡子規が参詣したともいわれている。 市文化財保護審議会の松本誠一会長(80)は「歴史的に価値のあるものだけに割れたのは残念。指定が継続されるように、国の指導を受けながら対応したい」と話した。