(CNN) 人間の存在によって世界の水循環のバランスが崩壊し、各地で水不足の被害増加に拍車がかかっている。「人類史上初」となるこうした事態は、経済や食糧生産、人々の生活に大混乱を引き起こすとみられる。新たな重大報告で明らかになった。 過去数十年間の破壊的な土地使用、誤った水管理が人間由来の気候危機と重なって、「前例のないストレス」を世界の水循環にもたらしているという。国際的なリーダーや専門家で構成する団体、「水の経済学に関するグローバル・コミッション」が16日、そうした内容の報告書を発表した。 水循環とは、水が地球上を移動する複雑なシステムを指す。水は湖や河川、植物などを通じて地上から蒸発し、大気へと上昇。巨大な水蒸気の雲となって長距離を移動する。その後冷却、凝結し最終的に雨や雪として地表に戻ってくる。 水循環の破壊は既に被害をもたらしている。30億人近くが水不足に直面し、穀物の生育が阻害