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1934年冬、満州国のハルビン。ソ連で特殊訓練を受けた共産党スパイ・チームの男女4人が、極秘作戦“ウートラ計画”を実行するため現地に潜入する。ウートラ計画とは、秘密施設から逃れた同胞を国外に脱出させ、日本軍の蛮行を世界に知らしめること。だが、仲間の裏切りによって、そのミッションは共産党の天敵である特務警察に察知されていた。特務の執拗な追跡、次々と放たれる罠により、ついにはリーダーの張憲臣チャン・シエンチェンが特務の手に落ちてしまう。残された王郁ワン・ユー、楚良チュー・リャン、小蘭シャオランの3人と、彼らの協力者となった周乙ジョウ・イーは、八方塞がりの危機を突破し、命がけのミッションを完遂できるのか……。 1987年の監督デビュー作『紅いコーリャン』でベルリン国際映画祭金獅子賞を受賞し、中国第5世代の才能として世界的な脚光を浴び、その後も高度な芸術性と娯楽性に富んだ作品群を世に送り出し、20
日本SF界の注目作家・小川哲による巨編歴史小説『地図と拳』が第168回直木三十五賞を受賞した。日露戦争後からの半世紀、満洲のとある町という絶妙な舞台で、歴史・地理・風俗・文化の背景が緻密に描かれ、そこにダイナミックなドラマが展開するこの作品は、一読した読者を強力に惹きつけている。 この壮大な歴史ドラマはいかにして作られ得たのか。実は、作品の歴史考証には、ある中国史研究者が協力していた。『馬賊の「満洲」 張作霖と近代中国』(講談社学術文庫)の著者である澁谷由里氏がいま語る、創作と考証をめぐる秘話。 作家の「ツボ」を衝いた? カルト集団事件の研究書 第168回直木三十五賞受賞作『地図と拳』(集英社刊)の歴史考証を、『小説すばる』での連載開始前から単行本刊行までの約4年間、筆者は手がけてきた。「満洲もの」を書きたいと志した著者の小川哲氏が、拙著を読まれて、担当編集者とともに筆者の研究室を訪ねて
数ヶ月前だっただろうか、たまたま読んでいた雑誌で映画の広告を見つけた。 シベリア抑留をテーマにした映画で「ラーゲリより愛を込めて」というタイトルらしい。 主演は二宮和也で、広告には彼の演じる抑留されているであろう男性が大々的に映っていた。 シベリア抑留ということで過酷な背景が思い起こされる。 髭の伸び具合を見ると、確かにあまり手入れされていないような印象が見受けられた。 視線を髭から上に向けると、ポスターに漂う雰囲気とは異なる色味を感じた。 この主人公、歯がやけに白いのである。 抑留されている人間らしからぬ、いや、抑留されておらずともこの白さを持って人間は滅多におるまい。 歯並びも綺麗である。日本人は歯並びが汚いという話を聞いたことがあるが、そんな偏見はどこ吹く風な様相だ。 シベリアではホワイトニングと歯列矯正がサービスで提供されていたのだろうか。 今週公開ということで方方で宣伝されている
トップインタビュー・対談山田風太郎賞受賞! 日露戦争から太平洋戦争まで、満洲の架空都市を舞台に日本SF界の新星が描いた『地図と拳』――その構想は? 先ごろ第13回山田風太郎賞を受賞した『地図と拳』(集英社)は、日露戦争から太平洋戦争までの日本の灰色の時代を通して、満洲にある架空都市〈仙桃城(シエンタオチョン)〉にひき寄せられた人々によって紡がれる歴史大河小説だ。 著者・小川哲さんはSF小説『ユートロニカのこちら側』(早川書房)でデビュー後、長編『ゲームの王国』(同)で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞し、『嘘と正典』(同)では第162回直木三十五賞候補と最も注目される作家の一人。 雑誌『小説すばる』での連載開始から休載を挟み4年の歳月をかけて刊行された『地図と拳』(集英社)について小川哲さんに話を聞いた。 (インタビュー・構成・撮影=すずきたけし) ――『地図と拳』は日露戦争
king-biscuit @kingbiscuitSIU 「シベリアからアカで帰ってきてね、就職がどこにも誰にも世話してもらえんちゅうことがわかって、子供相手に10年も紙芝居をしよった。そのあと養鶏したり、炭坑に行ったり。」 2022-04-18 13:33:16 king-biscuit @kingbiscuitSIU 「シベリアであんな経験をしたから、闘わざるを得ない環境にあったからね、そうせんと生きてけんから、随分と気性が激しうなって、人から批判受けながら反省する意志がのうなって、人の言うこときかん人間になってしもた。あれがなかったらもう少しおとなしい人間になってたのにって思いますよ。」 2022-04-18 13:34:36 king-biscuit @kingbiscuitSIU 「シベリア抑留を語る時、収容所内で繰り広げられた民主運動は避けて通れない。飢餓、極寒、重労働が肉体の
小川哲さんの『地図と拳』が発売されました。『ゲームの王国』で日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞し、『嘘と正典』で直木賞の候補になった、いま最も注目される作家の3年ぶりの新作です。 作品の舞台は満洲(現・中国東北部)。日露戦争前夜から第二次世界大戦まで、満洲の名もなき都市で繰り広げられる知略と殺戮。そして、理想の都市を作ろうとした、日本・中国・ロシアの人間たちのロマンと挫折が描かれた大作です。 構想を始めた2017年から、膨大な資料を読み込み、中国東北地方への取材旅行も経て、5年の歳月をかけて完成させた本作の裏側を、小川さんに聞きました。 〔取材・構成〕長瀬 海 ※この記事は『地図と拳』の物語展開の重要な部分に多く触れています。ネタバレが気になる方はご注意ください。 満洲を作ることと、小説を書くこと ――小川さんの新作『地図と拳』は満洲を舞台に20世紀の戦争のダイナミズムを象(かたど)る超大作
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