全長7メートル 骨は頭部から上あごにかけてで、最大長は約1メートル、幅は65センチと大きく、重さも約70キロ。全身は約7メートルになるとみられる。 伊藤氏がこの骨の存在を知り、鳥取県立博物館の渡辺克典氏や益富地学会館(京都市)の石橋隆氏らと調査。上あごの歯列跡やサイズ、頭蓋の特徴などから、完新世(約1万年前~現在)のシャチと判断した。骨の表面の硬化状態から化石である可能性が高く、今後生息していた年代などを詳しく調べるという。 顕証寺の近松真定(しんじょう)・第20代住職によると、頭骨は「お堀を掘っている折に見つかった」とも伝わる。実際に大蛇骨の発見場所とされる付近では、地下鉄工事などの際に完新世初期の地層から鯨類の化石が大量に発見されているといい、伊藤氏は「そのころの環境にシャチもいたと考えるのは十分可能。海の生き物の頂点にあるシャチの研究の一級の資料になる」と話す。