早稲田大学ファイナンス総合研究所の野口悠紀雄氏は、金融政策が賃金上昇の妨げとなりうると主張している。 以前、野口氏はアベノミクスによって日本経済が二重構造を復活させたと書いているが、今回は異次元緩和が経済の停滞の一因になっていると指摘している。 アベノミクスによって『経済の好循環が生じている』と言われることがあるが、実際に起きているのは、まったく逆のことである。 低賃金と消費停滞の悪循環が生じているのだ。 野口氏がダイヤモンド・オンラインに書いている。 今回、同氏が注目したのは小売業と飲食サービス業など、他と比べて低賃金の産業だ。 この2つの産業では過去6年間で人員数が約1割減っている。 売上については小売が約1割減、飲食サービスが約1割増だ。 飲食サービスは全体では売上が伸びているものの大手に偏っており、資本金20百万円未満に限ると6%減になるという。 つまり、小売と零細飲食が売上・人員