onoesan.hatenablog.com 私だけでなく、世の中の大半の人は、多かれ少なかれ他人の生活が気になるものではないだろうか。 ーたとえ、それが時として目の毒であろうとも。 動物病院でたまたま会話を交わした女性は、胸に赤ちゃんを抱き、猫の入ったケージを手にしているにも関わらず、あり得ない優雅さであった。 そのような状況において、優雅なままでいられる人を、多分初めて見た。とても市井の人とは思えない。私の中のエツコイチハラが騒いでいる。 とは言え、その日の私は老猫の常備薬を受け取るために来院しただけだった。エツコがいくら騒ごうと、会計が済んだら帰るほかない。 そのうち、「お薬の準備ができました」と私が呼ばれ、「診察室にお入りください」と彼女が呼ばれた。では、と会釈し合って同時に席を立つ。 赤ちゃんは抱っこ紐の中で依然スヤスヤと眠っている。今日は思いがけず良いものを見ることができた。眼