ひもす・どり【日燃鳥】 ①カラスの異称。 ②転じて、火が消えて炭になった様子のたとえ。 ◆ 小学生の頃、教祖になったことがある。 信者はたったの四人、小さな小さな新興宗教だ。当時は霊能力ブームで、テレビでは心霊番組が毎日のように放送されていた。まだ小学生だった僕たちがオカルトに走るのも、不自然なことではなかった。放課後に近所の公園に集まって怪しげな儀式を執り行う、そんなごっこ遊びが生まれて無理のない時代だった。 きっかけは由紀子だ。小学五年生の時、僕の隣に座っていた女の子だ。小柄で、長い髪をいつもお下げにしていた。自分には霊能力があると公言していて、誰かの家でお泊り会を開いた時に「怖い話」をするのは彼女の役目だった。 算数の時間中、僕は授業にまったく集中できず、教室をぐるぐる見回していた。壁には日本の歴史年表やことわざ表などが並び、黒板には給食当番の表が張られている。ふと、僕の目がある一点