『日本辺境論』が韓国語訳されることになって、序文を頼まれたので、それを書いた。 『日本辺境論』は中国と韓国の読者をつよく意識して書いた日本文化論であるので、これが韓国語に翻訳されることは書き手としてたいへんにうれしい。 どういう受け取り方をされるのか、興味がある。 これは私の著作の中では(たぶん)四冊目の韓国語訳である。 あちらの出版社がどういう基準で選書して、翻訳しているのか、ラインナップをみても、正直言ってよくわからない(『下流志向』、『寝ながら学べる構造主義』、『若者よマルクスを読もう』、そして本書)。 なんとなくわかるのは、「学術的にいささかややこしい話」を「コロキアルなことば」に置き換えて説明するという「学術言語と生活言語のブリッジ」という仕事に、韓国の学者たちはあまり熱心ではないのではないかということである。その「ニッチ」を埋めるような書き手を韓国の読者たちもなんとなく求めてい