「感動した」という声の一方、「危険だ」との指摘も相次いだ。フィギュアスケートの羽生結弦(ANA)が、本番直前の練習中に他選手と激突。ふらふらになって滑りきった。どういう根拠で出場を決め、その判断を専門家はどう見たか。 8日のグランプリ(GP)シリーズ中国杯。男子フリーの演技直前の6分間練習で、羽生は振り向きざまに閻涵(イエンハン、中国)とぶつかり、倒れた。しばらくして起き上がると、ふらつきながらリンクから退いた。 GPシリーズでは、転落の危険があるペアが出ない国は通常、医師を同行させないため、米国チームの医師がリンク裏で羽生の処置をした。ライトを目に当て反応を見て、「100ひく3は?」などいくつかの質問をするうちに、羽生の意識がはっきりとしてきた。 付き添ったオーサー・コーチは「脳振盪(しんとう)の主な兆候がなく、競技を続けるのに十分な状態だと確認したかった」と振り返る。医師からは出場の許