自由な研究活動をがんじがらめに縛ることは誰も望まないと思いますが、我々が自然に正しく振る舞えるよう,制度面での改革もある程度は必要であるかもしれないと考えます。本特集号が,そのような制度改革も含めた積極的なアクションを起こすきっかけとなることを願っています。 概要 2015年にScience誌に過去の心理学の研究について追試を行ったところ、その再現性が40%未満という驚くべき結果が報告され、学界に衝撃をもたらしたのみならず、一般のマスコミにおいても報道され社会的なインパクトを巻き起こしました。 心理学という学問のある意味での「危機的状況」を、実際に心理学研究に従事している研究者、特に日本の研究者はどう考えているのでしょうか。日本の心理学界の現状の把握と将来への展望に向けて、現在精力的にそれぞれの心理学の研究領域で研究されている方々にそれぞれの考えを執筆していただきました。 その結果、研究領