――前回は、日本にスポーツを楽しむ文化がないことが、上達の妨げにもなっているというお話でした。「スポーツを文化にしたい」という言葉は、選手の側からも聞かれますが、障害はたくさんありそうですね。 日本でスポーツが文化として根付かないのは、報道の仕方にも問題があります。勝ったときは大フィーバーで、負けても「感動をありがとう」と言ってブームを作り出そうとする。これでは一過性のブームで終わってしまい、文化にはなりません。たとえば、2015年のラグビー・ワールドカップは、大会前にはほとんど扱われていなかったのに、南アフリカに勝った途端に報道が過熱しました。 もちろん、世界的にみても歴史的なジャイアントキリング(番狂わせ)ではあったけれど、あのワールドカップから何を学び、何が足りなかったのか、真実を伝えなければ、次につながってはいきません。 日本サッカーが足踏み状態になっている理由 ――特にサッカーの