京都大学の本部がある吉田キャンパス(京都市左京区)に学生たちが置く立て看板が、京都市の景観を守る条例に違反するとして、行政指導を受けていることがわかった。京大は設置場所などの制限を検討している。大学紛争の時代も経て、様々な考えや身近な情報を伝えてきた通称タテカンは、美観とのはざまで消えゆく運命なのか。 市が問題視するのは、キャンパスの敷地を囲む擁壁に立てかけられた看板や、敷地内にあるものの敷地外から見える看板。キャンパスは祇園と市北部を結ぶバス通りに面しており、周辺の道からは現在、20枚ほど目に入る。 立て看板は「京大の文化」とも言われてきた。1960~70年代の学生運動全盛期と比べれば減ったとされているが、大学の軍事研究に反対する政治的主張や、人工知能(AI)を考えるフォーラム、LGBT(性的少数者)の権利を考える集い、サークルの演奏会や公演の告知まで、扱う内容は多様だ。 朝日新聞が入手