後白河法皇の１３回忌に際して鎌倉時代に営まれた法要「浄土如法経（にょほうきょう）次第」が３日、京都市東山区の三十三間堂で約８００年ぶりに行われた。一部に浄土宗の法式による勤行を含む法要で、千体千手観音立像を安置する堂宇に浄土宗僧侶の厳かな声明が響いた。 三十三間堂（蓮華王院）は天台宗京都五箇室門跡の一つ「妙法院」の仏堂。元久元（１２０４）年に後白河法皇の１３回忌を蓮華王院で営むにあたり、当時の土御門天皇が浄土宗の開祖・法然を招いて写経の法要を行った記録がある。 その後に同様の法要を営んだ記録はなく、三十三間堂の千体千手観音立像が国宝指定されたことを記念する慶讃法要の一環として約８００年ぶりに再興された。 最初に妙法院の杉谷義純門主が法要の趣旨などを仏前で述べた後、「浄土宗古儀聲明（しょうみょう）研究会」で活動する浄土宗僧侶が「六時礼讃（らいさん）」と呼ばれる勤めの一部を行った。昭和初期に途

黒沢明監督の足跡紹介、御殿場に看板　「ロケの町」内外に発信 御殿場市民でつくる御殿場黒沢明学術会は３日、同市の二岡神社に設置した映画界の巨匠黒沢明監督の足跡を伝える看板の完成セレモニーを現地で開いた。世界の芸術家に影響を与え続ける監督と市の深い関わりを来訪者にＰＲする。 黒沢明監督と御殿場市の深い関わりを伝える看板の完成セレモニー＝同市の二岡神社 神社の入り口付近に設置した看板は縦６０センチ、横約９０センチ。代表作「七人の侍」や「椿三十郎」をはじめ多数の作品を市内で撮影し、別荘を構えたことなどを紹介している。ファインダーをのぞき込む監督の写真を載せた。 セレモニーには会員や黒沢作品の撮影チーム「黒沢組」の元スタッフら約５０人が出席。同会の芹沢修治会長（７２）や池谷俊一顧問（７７）らが看板を除幕した。芹沢会長は「ロケの町御殿場を市外、県外に発信できる」と話した。生前の監督と親交があり、会の立

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壁に飾られた狐（きつね）、狐、狐…。日本三大稲荷の一つ、豊川稲荷（豊川市）門前にある狐のお面の専門店「一年狐（しきぎつね）」には、人々の幸せを願う色鮮やかなお面が並んでいる。...

琵琶湖の形をした水色の着ぐるみに、小さな目と半開きの口。「びわ湖くん」と名乗る、そのキャラクターからは、脱力感がにじみ出るが、どこか愛くるしい。着ぐるみは裏側の段ボールがチラチラ見え、手作り感たっぷりだ。「最近、ユーチューブにたくさん動画が出ているんだ」と教えてくれた上司によると、どうやら県の「非公認ゆるキャラ」にも、公認されているらしい。「非公認の公認」って、何じゃそりゃ。謎が深まるばかりの、そのキャラクターの正体を追った。...

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石集めが趣味の岐阜県揖斐川町上ミ野の農業、細野孝雄さん（７２）の自宅敷地内にある離れには、赤や白の菊模様が浮かび上がる「菊花石」や珍しい形の石が所狭しと並んでいる。本巣市の根尾谷から根尾川本流へ流れ出た菊花石や、揖斐川で拾った動物の形をした石など約７５０点を展示している。 細野さんは子どもの頃、揖斐川で遊んでいた際に、珍しい形の石を見つけ、持ち帰るなど幼少期から石が好きだった。３０年ほど前から揖斐川や根尾川で菊花石や珍しい形の石を本格的に集め始めた。中でも「根尾谷の菊花石」は、１９５２年に国の「特別天然記念物」に指定されている貴重なもので、指定区域以外の河原で採取した。 離れには、大きさがさまざまな菊花石のほか、犬やサルといった動物の形をした石、人が笑っているように見える石が並ぶ。動物は十二支をそろえた。石に浮かび上がる模様が指をさしているように見えるユニークなものもあり「あちらへどうぞ」

【追悼　ベイリー】小児病棟とセラピー犬、院内みんなを元気に（２０１１年の静岡新聞紙面から） ゆっさゆっさ。ゴールデンレトリバーの長い尻尾が揺れる。散歩の時には垂れたままなのに、病院の中だとこうなる。「今日も張り切ってるな」。セラピー（治癒）犬ベイリーの背中を見て、森田優子さん（２９）＝静岡市葵区＝の口角が上がる。「犬には人の感情がすぐ伝わる。あなたが緊張すると言うことを聞かない。ポジティブ（前向き）でいなさい」。ハワイのセラピー犬訓練所で、トレーナーからそう言われた。確かに以心伝心なのだ。（静岡新聞２０１１年１月３日朝刊掲載、年齢・肩書などすべて当時の情報） 子どもたちから贈られたビーズのネックレスを、ベイリーの首に掛ける森田さん＝２０１０年１２月１６日、静岡市葵区の県立こども病院 院内を歩くと、擦れ違う人がみんな笑顔になる。「今日もかわいいねぇ」。患者も医療スタッフも立ち止まる。県立こど

作家井上靖（一九〇七〜九一年）が、東洋のビーナス（ギリシャ神話の美と愛の女神）と称した長浜市高月町渡岸寺の国宝十一面観世音菩薩（ぼさつ）（向源寺所属）。地元では字名から「渡岸寺の観音さん」と呼ばれ、親しまれている。...

伊那市教委は三日、同市山寺の原垣外（はらがいと）遺跡で発掘された平安時代前期（約千二百年前）の集落跡の説明会を現地で開いた。　（中沢稔之） 宅地造成に伴い五月下旬から進めていた発掘調査で、平安時代では市内最大の竪穴住居跡と、倉庫として使われたとみられる掘立柱（ほったてばしら）建物跡二十七基を確認した。

政府の観光支援事業「Ｇｏ　Ｔｏ　トラベル」に東京発着の旅行が追加され、外出する人の増加が見込まれる中、新型コロナウイルスの感染予防対策の順守を浜松市が認証する「はままつ安心・安全な飲食店認証制度」の登録店が繁華街を中心に増えつつある。登録後に客足が回復した店もあり、店舗経営者らは「感染対策をしっかりして、おもてなしをしたい」と語り、浜松のイメージ向上に期待を寄せる。　（坂本圭佑） 金曜日の二日夜、浜松市中心部の繁華街にある居酒屋「じねん」のカウンターは、地元産のトラフグ料理や魚の刺し身を味わう客でにぎわっていた。「やっとお客さんが戻ってきてくれた。認証のおかげ」。経営する秋元健一さん（５７）は目を細めた。七、八月の売上高は前年同期比で八割ほど減ったが、最近は二割減まで戻ってきた。 店では八月の認証制度創設前からアクリル板を設置するなど独自に感染対策をしていたが、秋元さんは「何が正しいか分か

漫画の神様・手塚治虫さん（一九二八〜八九年）の功績を振り返る企画展「手塚治虫展」（中日新聞社など主催）が三日、豊橋市美術博物館で始まった。「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」など代表作の原画約三百枚や、ベレー帽などの愛用品を並べている。十一月二十三日まで。 会場ではデビューまでの生い立ち、四十三年間に及ぶ漫画家・アニメーターとしての業績、作品を通じて未来へ託したメッセージをそれぞれ紹介する。見どころは、手塚さん直筆の原稿やメモの数々。キャラクター設定やアイデアメモは、手塚さんの発想の一端に触れられる貴重な資料だ。

鴨川のカップル等間隔の法則、ぶぶ漬け伝説…。広く知られる京都の「定番ネタ」を、ユーモアでくるんで新型コロナウイルス対策を呼び掛けるつり下げ看板が、京都市中京区の新京極商店街に登場した。「いけず」ともとれる文言もあるが、設置した同商店街振興組合は「京都流のおもてなし。くすっと笑ってもらえたら」としている。 ■「新型（いちげん）さん　お断りどす」 新京極六角公園前に設置されたのは、マスクを着けた恋人たちが川べりに座るほのぼのとしたイラスト。「距離あける　京の人なら　お手のもの」と、一句添えられている。鴨川の風物詩、等間隔で座るカップルを例に、ソーシャルディスタンスを呼び掛ける内容だ。 商店街中央付近に掲げられたのは、「ぶぶ漬けを　待たずに帰る　京の人」とのメッセージとお茶漬けの絵。言わずと知れた、長居する客に帰ってもらうよう促すために「ぶぶ漬けでも」と誘う伝承からヒントを得たもので、看板の左下