元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進さん(91)と、芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さん(65)が、日本の行方を語る「こころの好縁会(こうえんかい)」(大興寺、中日新聞社共催)が七月十一日、岐阜市の岐阜グランドホテルで開かれる。新型コロナウイルス感染拡大で、混乱や不安が社会を覆う中、中西さんは「これからの時代に求められるのは、自らを律する『令』の精神です」と指摘する。 (浜崎陽介) 古典文学で「令」は「美しい」「麗しい」といった意味で使われ、元号に初めて用いられた。中西さんは「いろいろな美しさがあるが、令とは自らを律した限定付きの美しさ」と解釈している。 中西さんによると、日本の歴史には三つの重要な「転回」がある。一つ目は、聖徳太子が十七条の憲法を制定し始まった「法の時代」。平清盛が太政大臣になった平安末期ごろから「力の時代」になり、戦国乱世、やがて軍国主義へ。最後