「こちらJアートコールセンターです」。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が脅迫などで2カ月間中止に追い込まれた問題を受け、作家グループが自主開設した電話窓口が稼働中だ。作家が抗議や意見に直接対応する、珍しい試みの現場を取材した。 「落ち着いていただけますか」「私はそう思いませんが」。名古屋市内のマンションの一室で男女3人がそれぞれ電話に応対している。女性作家が対応しているのは、従軍慰安婦をモチーフにした韓国人作家の「平和の少女像」展示への抗議。しばらく会話は続いたが、相手の差別発言がヒートアップすると、「切りますね」と断り受話器を置いた。 「ご感想は作家に伝えます」と、別の電話で男性作家が答えた。「応援の電話だった」と笑顔を見せた。