ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」はごく控えめに言って、ドーキンスの「利己的な遺伝子」だとかジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」と同じくらいか、それ以上に広く読まれるべき大変重要な一般向け科学書ですが、まあ、それはそれとして。 伊藤計劃「ハーモニー」が好きな奴は全員「ファスト&スロー」読んでおけ、というのが本エントリの結論です。 簡単に内容をまとめますと、「ファスト&スロー」は、人間の判断と言うものが如何にいい加減で非合理的で根拠がなくてそのくせ自信満々であるかを、これでもかこれでもか、えい、これでもか! と論じた上で、それは人間に備わった特性であるから逃れることなど不可能でお前は絶望に苛まれながら滅んでいくのだ、というのを、「ノーベル経済学賞受賞」という肩書を利用してビジネス書のふりしてみんなに読ませてしまおうという、大変に悪の秘密結社的な企みであります。 人間は非合理的なの