先週の磯崎哲也さんの記事でもふれられていたように、本年は「電子出版元年」といわれている。電子出版の場合、紙の出版のときのように印刷とか製本の手間がいらなくなるから、情報発信コストは大きく低下することになる。 日本語での情報発信を考えた場合には、1980年代初頭から日本語ワープロが利用可能になったことで、劇的な発信コストの低下が起こったといえる。それ以前は、(現在の40歳以下の世代には実感され難いかもしれないが)日本語の文章は手書きするしかなかった。日本語タイプライターというのもあるにはあったが、簡易印刷機というべきもので、個人が文章を書く道具として使えるものではなかった。それが、日本語も打鍵によって書くことができるようになったわけである。 これは画期的な変化であり、それ以降、一人で書ける文章の量は飛躍的に増大した。その後もITの発展・インターネットの登場等を経て、情報発信コストは低下傾向に