「事態をエスカレートさせないよう強く求めていくとともに、毅然と冷静に対応している」 「現在の状況に冷静に対応し、緊張を高める行動を取らないよう強烈に希望する」 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海/接続水域に、記録的数の中国海警局公船や百隻単位の中国漁船が、特に8月に入り侵入を活発化させたが、侵入を受けて「政府」が発したコメントだ。ただし、前者は菅義偉官房長官、後者は中国外務省報道官の声明。被害者=被侵入者と加害者=侵入者の声明が同じとは。被害者を装う加害者を登場させる「推理サスペンス」のような展開には、驚くほかない。 驚くといえば、毎回、作ったようなおっかない顔で話す中国外務省報道官の迫真の演技。「並の神経」の持ち主なら吹き出してしまうところだが、剣山でも握っているのか、はたまた官僚登用試験で演技力も試されるのか…。 ところが、演技力が乏しい外交官もいる。 南シナ海のほぼ全域を自国管轄海域