人権擁護を目的としたNGO「社団法人自由人権協会」大阪兵庫支部の講演会が21日、大阪市内で開かれ、郵便不正事件で村木厚子・厚生労働省元局長=無罪確定=の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士が「冤罪(えんざい)を生む構図」と題して講演した。同日で開始から2年となった裁判員制度について「いろいろな見方や証拠が検討されるべきだが、時間を短縮し、証拠を薄くして裁判をしているのが非常に気になる」と述べた。 弘中弁護士は検察捜査の問題に加え、保釈請求がなかなか認められないなど、裁判所の問題点も指摘。裁判員の負担軽減を目的に短期間で審理している点について、「私の経験でも、無罪を取れたのは裁判官に時間をかけてじっくり考えてもらえた場合。裁判員制度で悪い方向に行くのを危惧している」と話した。【苅田伸宏】