大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件など一連の不祥事を受けた人事刷新で、笠間治雄・前東京高検検事長(62)が27日、検察トップの検事総長に就任した。笠間氏がモデルとみられる検事が、高杉良氏(71)の小説『呪縛 金融腐蝕列島II』(角川文庫)に登場することは意外と知られていない。高杉氏が当時を振り返り、笠間氏にエールを送った。 笠間氏は1974年に検事に任官し、東京地検特捜部でリクルート事件や証券会社・銀行の総会屋に対する利益供与事件などの経済事件を手がけた。99年に東京地検特捜部長に就任、「KSD事件」などを指揮した。 高杉氏の小説『呪縛』は、総会屋への利益供与事件の舞台になった都市銀行で、「4人組」と呼ばれる中堅行員が腐敗した組織の改革に取り組むというストーリー。 架空の銀行名や人物名が使われているが、97年に第一勧業銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)で起きた総会屋への利益供与