「はやぶさ」ミッションの終わりはどこ? 人によっては、それは帰還と再突入になるだろう。しかし、そこから小惑星のサンプル分析、研究がスタートする人もいる。 吉川 本当に「はやぶさ」は世界初なんですよ。月以外の天体に着陸して、そして離陸して戻ってくるのはアメリカですらやっていない。 そもそも、何かの天体に行って、戻ってくるということ自体、スターダスト、ジェネシスに続いて「はやぶさ」で史上3例目。2つが着陸せずフライバイで戻ってきただけであるのに対し、「はやぶさ」はあの小さな探査機で着陸・離陸ですから。 サンプルは「ない」ことを確認するのもひと苦労 安部 「はやぶさ」ミッションにはいくつもの山があって、私にとっては、観測してひと通りの情報が揃って「イトカワというのはこういうもんですよ」ということを論文としてまとめた、それがひとつの区切りです。 その後、探査機が実際に小惑星に行って、近赤外線分光器