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2024年6月16日のブックマーク (5件)

  • 文学作品や先行研究との豊かな対話を味わってほしい【文学分野】武田利勝教授

    初期ロマン派のシュレーゲルを中心に研究 1800年前後の近代ドイツにおける美学、自然哲学、文学を研究しています。中でも中心に据えてきたのが、初期ロマン派の最も重要な理論的指導者の一人とされるフリードリヒ・シュレーゲルです。彼が残した著作や論を分析し、その思想の核心にあるものについて考察を進めてきました。近年は、彼の唯一の小説作品『ルツィンデ』の読解に取り組み、他三篇と合わせた訳書を2022年に刊行しました。 シュレーゲルをはじめとするドイツ・ロマン派を語る上で、キーワードの一つが「フラグメント(断章)」です。文字通り文章の断片のことで、シュレーゲルはこの記述形式を好みました。1798年から1800年にかけて彼が兄のアウグスト・ヴィルヘルムとともに刊行した雑誌「アテネーウム」には、計451個のフラグメントが展開されています。現代でたとえるなら、X(旧Twitter)上に短文のつぶやきがランダ

    文学作品や先行研究との豊かな対話を味わってほしい【文学分野】武田利勝教授
  • ノア・スミス「自由民主主義はこんな風に21世紀を失うかもしれない」(2024年5月22日)|経済学101

    情報と自由に関するちょっとゾッとするささやかな理論自由主義が勝利の凱歌をあげている時代に,ぼくは育った.自由民主主義が勝利して,20世紀をわがものにした――帝国主義もファシズムも共産主義もみんな崩壊して,20世紀末には,アメリカとアジア・欧州の民主主義同盟国が経済面でも軍事面でも上り調子だった.中国ですら,依然として独裁国家ではありつつも,この時期に経済と社会の一部を自由化した.フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』に鼻白んだ学者たちも,総じて,資主義および/あるいは自由民主制が平和・幸福・繁栄を育んだという主張に好意的だった.「勝利したのは他でもなく自由だ」という感覚が,圧倒的に強かった――思っていることを語る自由,好きなように生きる自由,のぞむままに売り買いする自由こそが勝利したんだという感覚が大勢を占めていた. それからほんの20年後のいま,「自由こそが勝者」という考えは,深い疑い

    ノア・スミス「自由民主主義はこんな風に21世紀を失うかもしれない」(2024年5月22日)|経済学101
  • 沈没国家・日本を生きる「超重要なヒント」はここにあった…人類学誕生から100年、世界を変えた「4人の天才たち」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

    ---------- 「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。『はじめての人類学』では、この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。 ※記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。 ---------- 【画像】世界を変えたひとりの天才学者 「人類学前夜」の物語 この記事では、『はじめての人類学』の構成を記しておきましょう。まず、1章は書を読み進めていくための、いわば土台づくりです。この章ではまず、書における「人類学」の定義づけをします。人類学という学問分野は、イギリス、フランス、アメリカなどの国によって用いられる名前が異なります。それが読者の混乱を招く原因になるので、最初に書における言葉の使い分けをはっきりとさせてお

    沈没国家・日本を生きる「超重要なヒント」はここにあった…人類学誕生から100年、世界を変えた「4人の天才たち」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
  • ひとりの男によって人類の価値観は一変した…20世紀最大の功績を残した天才学者が「辿り着いた答え」(奥野克巳)

    実存主義が解体された 彼が編み出した理論は人類学の理論だけにとどまらず、その後「構造主義」と呼ばれる思想にまで発展しました。構造主義とは、私たちが生活している社会や文化の背後には目に見えない構造があり、人間の活動はその構造によって支えられているとする考え方です。構造主義が20世紀半ばの欧米の思想界に及ぼした影響は絶大なものでした。この意味で、レヴィ=ストロースは人類学において最大級の功績を残した学者のひとりだと言うことができるでしょう。 20世紀になると、人間や社会は進歩していくのだという歴史の発展法則に基づいて、マルクス主義が進展を遂げました。それとは逆に、構造主義は人間の精神は進歩するのではなく、最初から完成してしまっていると説いたのです。その点で、構造主義はまったく新しい人間観でした。構造主義では、西洋近代社会も「未開」社会も、同じ人間の精神の所産なのです。彼の提起した構造主義により

    ひとりの男によって人類の価値観は一変した…20世紀最大の功績を残した天才学者が「辿り着いた答え」(奥野克巳)
  • 「もうこの人たちには任せておけない」…人類学を救うために立ち上がった男の「強烈すぎるアンチテーゼ」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

    ---------- 「人類学」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。聞いたことはあるけれど何をやっているのかわからない、という人も多いのではないだろうか。『はじめての人類学』では、この学問が生まれて100年の歴史を一掴みにできる「人類学のツボ」を紹介している。 ※記事は奥野克巳『はじめての人類学』から抜粋・編集したものです。 ---------- 【画像】世界を変えたひとりの天才学者 「あなたがた、それでいいんですか?」 人間は単一的で直進的な進化の家庭にあるとする進化主義的な説を唱えた19世紀の人類学者たちに対して、「あなたたちはぬくぬくとした部屋で資料を読み漁り、頭の中でしか人間を知ろうとしていない。それでは当の『生』の理解には辿り着かない。研究室を飛び出し、人間にまみれてこそ研究を深めるべきだ」と不満を覚える若い人類学者たちが現れました。彼ら20世紀の人類学者

    「もうこの人たちには任せておけない」…人類学を救うために立ち上がった男の「強烈すぎるアンチテーゼ」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース