初期ロマン派のシュレーゲルを中心に研究 1800年前後の近代ドイツにおける美学、自然哲学、文学を研究しています。中でも中心に据えてきたのが、初期ロマン派の最も重要な理論的指導者の一人とされるフリードリヒ・シュレーゲルです。彼が残した著作や論を分析し、その思想の核心にあるものについて考察を進めてきました。近年は、彼の唯一の小説作品『ルツィンデ』の読解に取り組み、他三篇と合わせた訳書を2022年に刊行しました。 シュレーゲルをはじめとするドイツ・ロマン派を語る上で、キーワードの一つが「フラグメント(断章)」です。文字通り文章の断片のことで、シュレーゲルはこの記述形式を好みました。1798年から1800年にかけて彼が兄のアウグスト・ヴィルヘルムとともに刊行した雑誌「アテネーウム」には、計451個のフラグメントが展開されています。現代でたとえるなら、X(旧Twitter)上に短文のつぶやきがランダ
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