明治維新以降、日本の哲学者たちは悩み続けてきた。「言葉」や「身体」、「自然」、「社会・国家」とは何かを考え続けてきた。そんな先人たちの知的格闘の延長線上に、今日の私たちは立っている。『日本哲学入門』では、日本人が何を考えてきたのか、その本質を紹介している。 ※本記事は藤田正勝『日本哲学入門』から抜粋、編集したものです。 「言葉」って何だろう? 私たちの日々の経験のなかで「言葉」はどのような役割を果たしているであろうか。本講ではまず経験と言葉との関わりについて述べ、それを踏まえて、そもそも「言葉とは何か」ということについても考えてみたい。 私たちは自分が見たり聞いたりしたもの、あるいは感じたりしたものを言葉で表現しなくても、しっかりとその内容をつかんでいると思っている。しかしもし言葉で言い表さなければ、それらはあいまいなままにとどまり、自分でも何を見たのか、何を感じたのか、はっきりとつかむこ
![日本でもっとも有名な哲学者はどんな答えに辿りついたのか…私たちの価値観を揺るがす「圧巻の視点」(藤田正勝)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2163a047b5fccc7ab58df4737ba100a283f573e8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2F4%2F1200m%2Fimg_2468f5bed53d13b00bcd210b7319f259114601.jpg)