残業削減のため様々な知恵を絞る日本企業だが、成果を上げているのは一部にとどまる。残業が減らない背景には、経営層の1つの誤解と、諸外国にはない2つの事情がある。日本人は皆、家に帰りたくない──。そのぐらいの前提に立って対策を練らないと残業は減らない。24時間戦えますか──。バブル華やかなりし1988年、こんなキャッチコピーのCMが流行した。俳優の時任三郎氏を起用した、三共(現・第一三共ヘルスケ
米インディアナ州の共和党予備選で勝利したことを受けて、米ニューヨークで演説するドナルド・トランプ氏(2016年5月3日撮影)。(c)AFP/Jewel SAMAD〔 AFPBB News 〕 世界中の国の首都で、米国について2つのことを聞かされる。1つ目は、米国はもはや、かつてのような超大国ではないということ。2つ目は、各国政府は米国の大統領選挙の結果を見届けるまで、重要なことをすべて保留しているということだ。 さて、ここに3つ目を加えるといい。ドナルド・トランプ氏が大統領になることは、自分たちの最悪の悪夢をも超える惨事だ、ということだ。 米国の衰退主義はかねて誇張されていた。米国は今も唯一の超大国であり、世界中ほぼどこでも介入する力を持った唯一の国だ。米国は強大な同盟システムの頂点に立っている。過去10年ほどで変わったことは、今では一定の抑制が働く点だ。国際的にはパワーバランスが、国内で
おおさか維新の会の足立康史衆議院議員が、民進党に対して「アホ、馬鹿」発言を繰り返して、民進党から懲罰動議が出されている。本当に賢い人は、他人(他党)に対して、「アホだ、馬鹿だ」などとは言わないものである。民進党を批判するなら、その政策や政治行動について、正面から批判すればよいだけのことだ。それをしないで罵るようなことばかりを言うのは、自らの下品さを吹聴しているようなもので、自らを貶めているだけのことだということを知るべきだろう。 足立議員本人は、「確実に票を減らしている」「父親からも『お前に期待していたが諦めた。孫に期待する』と言われた」と語っているそうだが、それはそうだろう。ところが同党の幹部は、「足立議員は、おおさか維新の最終兵器だ」と持ち上げているというのだから驚くほかない。 政治の世界では、敵対する政党間で激しい批判合戦が行われることは珍しくない。当然のことと言ってよい。しかし、何
9日投開票のフィリピン大統領選は、実績はあるが暴言が絶えない“フィリピン版トランプ“と言われるロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長が、蔓延する犯罪や薬物問題を一掃した強いリーダーシップや現政権への不満を背景に、世論調査の支持率で他候補を大きくリードし、選挙戦を有利に展開。 フィリピンでは勝者決定には多数代表制が採用され、過半数を超えたか否かに関係なく、得票率が最も多かった候補者が次期大統領の座を勝ち取ることになり、(日本時間9日深夜の政府非公式発表や政府認可選挙監視組織「PPCRV」などによる情勢から)ドゥテルテ市長がフィリピンの新大統領に選ばれることが確定的となった。 一方で、教会で拾われた清廉潔白のイメージが売りの”元孤児“の女性上院議員のグレース・ポー氏や、アキノ大統領の後継指名を受け選挙戦終盤、組織力と資金力で支持率をじりじり上げてきたマヌエル・ロハス前内務・自治相は、結局、獲得票が伸
先日、セミナーを開催した時に、参加者の方から「どういう人が起業をして成功するのでしょうか」という質問を受け、どぎまぎしてしまいました。確かに、自分が十分に成功したとはまだ言えない状態であるのに、「こういう人は必ず起業をして、成功する」とまでは、とても言い切れないとは今でも思います。ただよく考えてみると、成功するために必要な要素はこれだ、というくらいなら何か言えるように思えてきました。 (1) 他人の意見をいったんは聞く 成功者はまず話をよく聞く人が多いです。また、人の意見を聞いておいて「いやそれは違うんじゃないかなあ」なんていう態度を取る人は少ないと思います。「それは面白い! 凄い!」という感じで、どんどん話を引き出す話術を持っている人が多いですね。ある種の素直さと、コミュニケーション能力が必要だということかもしれません。 しかし、そこで聞いた意見をそのまま取り入れているかというと全くそん
ロボットや人工知能(AI)は人々の仕事を奪うというのが一般的な常識となっている。ところが経済産業省はこれとは正反対に、「ロボットやAIを導入しないと2030年までに735万人分の雇用が失われる」との試算結果を公表した。 一部メディアはこれを誤解し、ロボットの導入を進めると735万人分の仕事がなくなってしまうとうニュアンスで報じた。これは誤報に近いものかもしれないが、ロボットやAIの導入で仕事が増えると言われてもピンとこないのが正直なところだろう。 試算結果の是非はともかくとして、今回の試算が、ロボットやAIがもたらす影響について議論するための叩き台となることは間違いない。すでに始まりつつあるロボット社会に対してどう向き合えばよいのか、もっと俯瞰的な議論が必要である。 経済産業の試算について一部メディアは誤報? 経済産業省は4月27日、第4次産業革命に対応するための指針となる「新産業構造ビジ
「孫さんは…」柳井氏の考える本物のリーダーファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏に聞く(上)2016 / 4 / 5 年間1兆7千億円を売り上げるアパレル世界大手のファーストリテイリング。世界で1700店を運営するカジュアル衣料品店「ユニクロ」を中心とする企業体を引っ張るのが、柳井正会長兼社長だ。「社員全員を経営者に育てる」と話す同氏に、柳井流のマネジメント論を聞いた。 >> 柳井氏に聞く(下) 「まずエベレストではなく丘に上れ」 「日本には経営していない経営者が多い」と以前話していましたが、真のトップとはどんな人でしょうか。 「成果を上げられるかどうかだ。会社は社会の公器で、特に上場企業は市場というところで自分の会社を売っているのと同じ。会社が評価されるのは、どれくらい成長したか、どれくらい収益を上げたか、人材を育成しているかというところだと思う。日本の悪い癖で、順送りでバトンを渡す
上司にこびる社員、おもねるイエスマンは好きじゃないDeNA会長 南場智子氏2016 / 4 / 29 ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の南場智子氏。2011年に夫の看病を理由に代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)を退任しましたが、15年1月に傘下のプロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」のオーナーに、同年6月にはDeNA会長に就任しました。インターネットを活用した遺伝子検査などヘルスケア事業も自ら率いています。再び全力疾走を始めた南場さんのリーダー論を再公開します。 会長になられて役割は変わりましたか。 「いいえ、全く何も変わりません。当社は常勤取締役が私も含めて3人で、社外取締役は2人です。会長かどうかは関係なく、私は3人のうちの1人として会社の重要な意思決定を間違えないということが任務です。それは以前と変わらずやっています。ただ、代表取締役社長の守安(功)を含め、担当する事業を
アナキスト大杉栄のパートナーで、関東大震災後に大杉とともに虐殺された伊藤野枝の評伝だ。 過激なタイトルだが、ページをめくって腰を抜かす。いきなり「あの淫乱女!淫乱女!」と太字で書いてある。岩波書店が心配になるほど、冒頭から衝撃的だ。 野枝は福岡県の地元ではいまだに逆賊扱いで、十数年前にテレビ局の取材を案内した人によると、同年代の存命のおばあさんが「地元の恥をさらすのくわあああ(大意)」と大声でいきりたって殴り込みをかけてきて、淫乱淫乱叫んでいたというのだから穏やかでない。 とはいえ、おばあさんの気持ちもわかる。大文字の歴史では、伊藤野枝は淫乱、逆賊にくくられても否定できない。 勝手に決められた縁組みによる結婚を破棄しようと逃亡して、女学校の恩師の家に転がり込むし、恩師を捨て自ら大杉栄との四角関係に身を投じるし、平塚らいてうに「あんた仕事しないなら、私に雑誌ちょうだい」と迫るし。大杉が拘束さ
プロ野球にはNPB(日本野球機構)の12球団、いわゆるパリーグとセリーグのほかに、独立リーグという存在がある。2004年のプロ野球再編問題以降、地域密着型の野球チームが設立され、その中の一つ、四国アイランドリーグプラス〈四国IL〉のひとつ「高知ファイティングドッグス」が本書の舞台である。 四国アイランドリーグプラスは2005年に設立された。高知は、香川オリーブガイナーズ、徳島インディゴソックス、愛媛マンダリンパイレーツと毎年優勝を争っているのだが、このところ低迷が続いている。(2016.5/5現在 3位) 独立リーグの経営は容易ではない。年間にかかる費用は1億円前後。それで選手の給料から審判やスタッフの費用をすべて賄わなければならない。無名のチームだから集客もままならない。 ではなぜ独立リーグが存在するかといえば、ドラフトで指名されなかった者やなんらかの事情で学校を中退したり、社会人チーム
もしも、自らが所属する組織の不正を知ったら、あなたは、その不正を正す勇気を持てるだろうか? 幹部自衛官でありながら、自衛隊組織の不正を、正々堂々と通報した男がいる。彼の階級は、3等海佐(以下、3佐)。「自衛隊は噓をついている」と裁判所に訴えたのだ。 2014年4月23日、東京高等裁判所。21歳の自衛官・Tさんの”いじめ自殺”を巡る裁判の控訴審判決が下された。国に約7300万円の賠償命令。一審の440万円を大幅に上回る遺族側の逆転勝訴判決だった。 この控訴審判決に重大な影響を与えたのが、3佐の存在だ。 そもそも3佐は、一審のときに自衛隊側の弁護士役に当たる指定代理人を務めた人物である。 裁判の経過の中で、自衛隊側は、Tさんが自殺した直後に隊員たちに実施した「直筆アンケート」を「破棄した」と主張し続けていた。しかし3佐は、破棄されたはずのアンケートを目撃してしまった。 「これは一体、どういうこ
やっと終わった。文庫の作業が終わったという意味だけではない。ふだんは見ないようにしていながらも、部屋の片隅にずっとうずくまっていた童子のような存在と向かい合い、やっとうちから出ていってもらうことができたような感覚に今私は浸っている。自分の仕事を褒めるのは抵抗があるが、いい内容だと思う。その満足感、責任を果たせたことの安心感に浸るとともに、童子がいなくなったことの寂寥感もある。 今から十数年前。雑誌の連載で上野の男娼に話を聞いてみようと思った。さして深いことを考えていたわけではなく、ちょっとした思いつきに過ぎなかったのだが、この時の内容がすさまじく面白かった。この面白さは2人の個性に負うところも大きいのだが、彼らは、彼らの存在を越えて私に大きな課題を与えてくれた。 古い雑誌ではよく見ていたノガミ(※上野)の男娼とこの2名がきれいに重なった。その時代から立っていたわけではないのだが、その世代の
常に裏舞台で働くことを好み、自己宣伝や世間からの注目を極端に嫌ったアンドリュー・マーシャルの名を知る者は少ない。しかし、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれ40年以上にわたって政府高官としてアメリカの安全保障に貢献してきたこの男の明晰な頭脳から生み出せされた戦略からは、誰もが無縁ではいられない。マーシャルは、冷戦中のソ連がCIAの推計よりもずっと多くの軍事負担に苦しんでいることを指摘し、精密兵器や広域センサーなどの技術進化がもたらす「軍事における革命」という概念を提案し、何より多くの研究者や高官に多大な知的影響を与えることでアメリカの戦略に変革を起こし続けた。マーシャルがいなければ、世界地図は現在のものとは違ったものになっていたはずだ。 本書では、これまで知られることのなかったマーシャルの「知の歴史」が、第二次大戦以降のアメリカの国防戦略の変遷とともに描かれる。マーシャルの業績の多くは未だに機密
「伝えることで、世界は変わるのか」 社会問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の配給を生業にしていると、よくこの問いに直面する。映画は、問題について人に“伝える”ことはできるが、温室効果ガスを減らせるわけでも、戦争を止められるわけでも、貧困家庭を支えられるわけでもなく、直接的な“治療薬”にはならない。 この葛藤は、映画に限らず、写真や本でも、同じように“伝えよう”とする人であれば、どこかで向き合うものなのではないだろうか。 本書「君とまた、あの場所へ シリア難民の明日」は、写真を通じて、被災地や難民キャンプ等の状況を伝えるフォトジャーナリストが、ヨルダンに暮らすシリア人難民たちを取材し、まとめた一冊だ。 シリアは、「アラブの春」と呼ばれる中東地域での民主化運動の波を受けて内戦状態となり、早5年が経つ。国民の半数以上が、国外・国内難民となっている同国の状況は、ISの台頭や周辺諸国の思惑が絡み
最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。だから、気分よく一日を終わりたい人は読むのをやめたほうがいい。 表紙をめくるとこのような言葉が最初に目へ飛び込んでくる。そしてこう続く。 世界は本来残酷で理不尽なものだ。その理由を、いまではたった一行で説明できる。人は幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない なんとも興味が惹かれる文章ではないか。書店で手にしたとき、この文を読んで買うことを決めた。そして読み始めた途端ページをめくる手が止まらなくなったのは言うまでもない。 この本には残酷な真実が書かれている。努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪歴といったものも遺伝の力に左右されている。また子育てや教育は子供の成長に関係ない。といった身も蓋もない話が多い。けれどすべての話には、進化論、行動遺伝学、脳科学といった学問の見地から、きちんとした証拠が示されている
「戦争にまつわる物理学の本を書いている」著者がこう話すと、周りからは「物理学が戦争と何の関わりがあるんだい?」という言葉が返ってきたという。続けて「ああそうか、原子爆弾のことだね」と言われたという。『戦争の物理学』という本書のタイトルを読んで同じように思った方も多いだろう。もちろん、本書では原爆の事も論じられている。しかし、それだけではない。人を殺傷する際の運動エネルギーも全て物理の法則にのっとり行われている。本書は古代から現代までの兵器の変遷を物理学の視点から読み解いた、一風変わった作品だ。 本書は、それぞれの時代の兵器の変遷を説明し、その兵器がいかに活躍したかを戦記風に記述した後、兵器にまつわる物理的な話へと移る、という構成が取られている。このため、歴史好きの人にもお勧めできる一冊だ。 例えばロングボウという弓の話は「100年戦争」のさなか、ロングボウの活躍により圧倒的な兵力差を誇る重
異端児ともいわれてきた実業家のドナルド・トランプ氏だが、今や、米大統領選で共和党候補の指名獲得が確実となっている。彼が各州で勝利を重ねるそんな情勢を苦い顔で見つめている人は少なくないが、ネイト・シルバーという統計学のエキスパートもそのひとりか。■野球データの権威、大統領選を的中彼は2003年に高度な統計分析を用いて大リーガーの成績を予想する「PECOTA」というシステムを開発。無数にある野球の
本書は進学塾で講師として活躍した著者が、辞書、地図、図鑑を使って子どもの知的好奇心を刺激する、また知識を吸収し思考する力を育てる方法を指南した1冊である。リビングに辞書、地図、図鑑を置くことによって、すぐにその場で調べられる環境を整え、子どものアンテナが立った瞬間を逃さない。子どもの気が移ろわないうちに、世界との接点を強化し、またそこから話を広げることで知識の幅を広げ、更なる好奇心を喚起する。 またその際、大人が子どもにどのような関わり方をすればより子どもの学ぶ力を損なわずにいられるか、より伸長できるかを説いている。教育に関心のある方はぜひ読んでいただきたいと思う。しかしながら本書の中で特に注目するべき点は、図鑑という本の捉え方である。今回は、本書中の図鑑に関する部分を特にご紹介したい。 何かを調べたいから、何かが好きだから、より深くその世界の知識に触れたい。本来図鑑を購入する目的はそのよ
なぜヒトは宇宙論や生物学に惹かれるのか。それは僕たちの身体が星の欠片からできており、ヒトが細菌のような生物から進化してきたことを自覚しているからだ。本書の帯には「宇宙・地球・生命を通史で読める初めての1冊」とある。僕は5000年の通史を書いたが(「『全世界史』講義Ⅰ、Ⅱ」)、これは138億年史なのでまるっきり桁が違う。読まずばなるまいと手に取ったが、比喩がとても巧みで桁外れに面白い本だった(何しろ、第一行が「山口百恵というアイドルがいた」から始まるのだ。また、皆さんは、「無人島に落ちていた携帯電話」から何を連想されるだろうか?)。 第1部「宇宙の誕生」。宇宙は3種類しかない。僕たちの住む宇宙は「人間に都合よく調節された宇宙」だ。大部分は「調節されていない、人間のいない宇宙」だろう。「調整されているが人間はいない宇宙」もあるかもしれない。ビッグバンが138億年前に起こり太陽系が46億年前に形
高野 秀行の最新刊は、固定観念の外側を探検する。テーマはずばり、納豆とは何か? ともすればアカデミックに着地してもおかしくないテーマを、おなじみ高野流の足取りで核心へと迫っていく。このアプローチをアカデミック界の鬼才は、どのように評したのか? 昨夏『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で魔球対決を繰り広げた清水 克行氏に、本書のレビューを寄稿いただきました。(HONZ編集部) 私自身もそうだが、東日本に生まれ育った者ならば、誰しも納豆については、大なり小なり一家言あるのではないだろうか。関西の知人から納豆はダメだという話を聞くたびに、心の中の優越感を隠し切れないし、たまに外国人で納豆が食べられるという人に出会うと、「なかなかやるじゃないか」と、急に親しみを覚えたりする。その根底には、あのニオイとネバリの良さが、そう簡単によそ者にわかってたまるか、という思いがある。納豆はクセがあるだけに、他
書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない単語であるが、かけ離れた関係性の単語なだけに、とてつもなくうさんくさい!「ダークマターとブッダ」ぐらいに意味がわからない! なんてうさんくさい本なんだ! と一目見た時につい思ってしまった。 とはいえ著者は『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』など数々の著書/実績に加え、ハーバード大学の教授である理論物理学者リサ・ランドールである。きっとおもしろいはずだ。しかし……本当にだいじょうぶかぁ? と怪しみながら読んでみたのだが、これがたしかにおもしろい──そして、しっかりとしている。見事に「ダークマター」と「恐竜絶滅」という結びつきそうもない両者を結合し、そこにどのような背景が存在しているのかを丁寧に解説してみせる。 そもそも、研究上この「恐竜絶滅」は好奇心をぞんぶんに煽りたて、謎の追求に必要な駆動力を与えてくれるものの、疑問
学校の歴史の授業では、お金のはじまりは物々交換だったと教えられることが多いのではないでしょうか。大昔の人たちが、たとえば魚と肉を交換しているイラスト入りの教科書などもあるでしょう。 本書『貨幣の「新」世界史』(原題Coined: The Rich Life of Money and How Its History Has Shaped Us、2015年刊)は、私たちの生活に欠かせない存在であるお金を様々な角度から分析しながら、今日に至るまでの長い歴史を紹介していきます。貨幣の世界史というと純粋な経済書のようなイメージがありますが、そうではないところが本書の大きな特徴です。生物学、脳科学、心理学、人類学、宗教、芸術など、網羅する範囲は実に幅広く、そこから『貨幣の「新」世界史』というタイトルも生まれました。 従来の貨幣史と異なる点は主にふたつ。まず、生き残りをかけた生物同士の共生関係こそが貨幣
米首都ワシントンのホワイトハウス前で、チベットを支持するデモで掲げられたチベットの旗(資料写真)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News〕 「私は司法の手続きがないまま中国当局に逮捕され、苛酷な拷問を受けました。『虎のイス』と呼ばれる鉄のイスに手足を縛りつけられ、2カ月近く締めつけられたまま、連日、殴打や電気ショックを受けたのです」 中国政府から長年弾圧され、現在はスイスに亡命しているチベット仏教の僧侶、ゴログ・ジグメ氏が4月14日、米国議会の公聴会で初めて証言した。 この証言により、中国政府が国内で少数民族や宗教組織の代表を拘束し、厳しい拷問を行っている現実が改めて明らかにされた。 政治犯や宗教犯に集中的に実施 「中国の広範な拷問行使」という名のこの公聴会は、米国の立法府と行政府が合同で中国の人権や社会について調べ、米国の対中政策に反映させる「中国に関する議会・政府委員
南シナ海・スプラトリー諸島のジョンソン南礁で中国が進める工事を写した写真。フィリピン外務省提供(撮影日不明)。(c)AFP/DEPARTMENT OF FOREIGN AFFAIRS (DFA) 〔AFPBB News〕 4月中旬、米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は、「南シナ海での中国の人工島建設による海洋環境の損害」と題する調査報告書を発表した。同委員会は報告書で、中国当局によるスプラトリー諸島(南沙諸島)の7カ所の埋め立てがサンゴ礁と漁業資源に重大な被害を与え、国際法にも違反すると警告している。 米国はこれまで中国の南シナ海における一方的な膨張に対して、安全保障や軍事、外交の観点から非難してきたが、環境破壊の観点からの批判は珍しい。 各国の海洋科学者が問題視 米中経済安保調査委員会は、米中経済関係が米国の国家安全保障に与える影響について調査し、米国議会や政府に政策勧告す
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