「世界のトップ10を目指すのなら、今現在の日本のサッカーを基準にして、子どもに模倣させてはいけない」という池上氏【『サッカー批評』編集部】 電話の声は低く、くぐもっていた。 「少年サッカーをなんとかしなくては、日本の未来はないですよ」 日本の未来を担う少年サッカーは2011年、大きな転換期を迎えた。8人制を軸とした少人数制への移行を推進、頂点となる全日本少年サッカー大会もこのルールにのっとって行われた。決勝を見届けた関係者からは「見事なパスサッカーが展開された。日本サッカーの未来は明るい」と評価された。現場の指導者も胸を張って言った。 「この年代でこれだけ大人のサッカーができるということを、見てもらえたと思う」 しかしながら、電話の声の主である池上正(京都サンガF.C.アドバイザー)は異なる見方をしていた。 「大人のサッカーとは日本の大人、Jリーグということでしょう? コーチの方