「まさか自分が? って感じですよ。数年前からうちの会社でも、管理職を対象とした早期退職の募集が幾度となくありました。50歳以上が対象だったし、退職金も増えるんだったら悪い話じゃない、なんて思っていたんです。今、思えばしょせん、人ごとだったんですね」 大手電機メーカーに勤める45歳の男性は、先月突然、人事部に呼び出され、早期退職募集の資料を渡された。 「悪い話ではないと思うので、考えてみてください」 まさに晴天のへきれき。自分には関係ないと思っていたことが、ある日突然、自分自身の問題となって降り掛かってきたのである。 「管理職だと組合員ではないですから。多少、無理強いをしてもさほどややこしい問題には発展しないんですよ」 男性はこう続けた。 上場企業の希望退職・早期退職者の募集が、今年に入ってから増加傾向にあるという。世界同時不況の発生から2009年は急増したが、その後は世界経済の立ち直りに伴
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