5月16 荻上チキ『セックスメディア30年史』(ちくま新書) 8点 カテゴリ:社会8点 90年代後半、社会学者の宮台真司が論壇を席巻しました。今でこそ、その活動はそれほど目立っていませんが、宮台真司の影響をもろに受けていると思われる若手論客は数多く、この本の著者の荻上チキもその一人だと思います。 そんな荻上チキが、まさに宮台真司的なテーマで書いたのがこの『セックスメディア30年史』。 宮台真司の仕事を知っている人は、彼がセックスメディアに社会の鏡的な役割を割り当てていたことを知っていると思いますが、この本ではそうした宮台真司の問題意識を受け継ぐ形で、1980年代から現在にいたるセックスメディアの歴史が語られています(タイトルは「30年史」ですが、実際の分析は85年あたりから始まっているので「25年史」のほうが正確かもしれません)。 ただ、その分析のされ方は宮台真司のそれとはちょっと違ってい