「大統領の職務を誠実かつ良心的に務めれば、誰だって遊ぶ時間などなくなる」。第11代の米国大統領、ポークの言葉という。実際、夏休みをとらない初の大統領となり、歴代随一の仕事中毒といわれる▲彼はメキシコと戦争してカリフォルニアなどを奪い取ったが、働きすぎのせいなのか退任3カ月で死んだ。では逆に働かなかった大統領は誰か。毎晩10時には寝て、毎日2~4時間は昼寝した第30代、クーリッジはその一人のようだ▲時は自由放任思想の全盛期で、その施政も富裕層への減税以外は無為無策(むいむさく)だった。後に彼の訃報(ふほう)を聞いたある作家は「なぜ(死んだと)わかるの」というブラックジョークを放ったという(オブライエン著「大統領たちの通信簿」)▲こちらは「固まっていない時間」の意をこめて「エグゼクティブタイム」と呼ぶらしい。米メディアがトランプ大統領のスケジュールを調べたところ、過去3カ月間の公務時間のうち約