筆者は約30年にわたってメインフレームのシステムをオープン系ハードウエアに移行する作業に携わってきた。過去にはメーカー系のSIerなど複数のITベンダーを渡り歩いた。この間、どうしようもない「塩漬けシステム」を数多く見聞きしてきた。なぜそのようなシステムが出来てしまうのか。実例を基に分析する。 今、現役で稼働しているメインフレームシステムは、歴史的な2つの転換点をくぐり抜けてきたシステムだ。1つは「2000年問題」である。2000年問題に対応するため、多くの企業で既存の業務システムに改修が必要になった。これを機にメインフレームをオープン化するブームが起きた。もう1つは「2007年問題」だ。このときも、メインフレームをよく知る団塊世代の技術者が引退する前にオープン化を進めようという動きがあった。 これらの節目をくぐり抜けて、現在も使用されているメインフレームには、移行できなかった理由がある。