ロシア軍の即時撤退などを求める決議案を採択した国連総会。議場は拍手に包まれた=米ニューヨークの国連本部で2023年2月23日(国連提供) 国連総会(193カ国)は23日、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる緊急特別会合で、ロシア軍の即時撤退などを求める決議案を141カ国の賛成多数で採択した。侵攻が長期化する中、国連憲章や国際法に違反する行為は許されないと改めて確認した。 国連総会の決議に法的拘束力はないが、国際社会の政治的な意思を示すものになる。決議案はウクライナが提出し、日本も共同提案国に加わった。採決では中国やインド、南アフリカなど32カ国が棄権に回った。シリアやベラルーシなど7カ国は反対した。 ウクライナのクレバ外相は米ニューヨークの国連本部で記者団に対し「加盟国はウクライナの領土と主権に対する明確な支持を改めて表明した」と評価した。
ワクチン接種の問い合わせに対応するため、コールセンターに医療従事者を配置するよう定めた大阪府枚方市の業務委託仕様書(案)=大阪市北区で2023年2月18日、山崎一輝撮影 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、三つの自治体からコールセンター業務を受託した人材派遣大手「パソナ」(東京都)が必要なオペレーター数を確保せず、約10億8000万円分を過大請求していた問題が波紋を広げている。 取材を進めると、コールセンターに常駐する医療従事者も契約期間の3割超で不足していたことや、自治体側が知らない場所でオペレーターが勤務していたことも判明。情報管理のずさんな実態が次々に浮かんできた。 再委託先が虚偽報告 「民間で真面目に働くより、公金をチューチューする仕事のほうが楽に儲(もう)かる時代ですよね。たまたまバレただけで、バレてない公金吸い取りスキームが日本中にあるんだろうなぁ」 今月11日、インターネ
LGBTQなど性的少数者の理解を進めようと自民党案をベースに与野党合意した「LGBT理解増進法案」は2021年、自民の一部保守派の反発で、国会提出が見送られた。あれから2年弱。岸田文雄首相の元秘書官の差別発言をきっかけに、性的少数者に対する政治の対応が通常国会の焦点に浮上している。当時、自民側の交渉役を担った稲田朋美衆院議員は直後の衆院選で落選運動にも遭った。今、何を思うのか、話を聞いた。【竹内望】 ――LGBTQなど性的少数者を巡る問題に取り組むきっかけは? ◆息子から当事者の友人の話を聞き、私が「どんな子なの」と聞いたら、「(生まれつきの性別と性自認が異なる)トランスジェンダーの男性なんだけど、すごく男らしい良いやつだ」と教えてくれました。若者の間では全然おかしいことでもなく、受け入れられている。その権利は守らなきゃいけないと思いました。 また、私が15年に自民党政調会長として訪米した
東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、組織委員会大会運営局元次長の森泰夫容疑者(55)=独占禁止法違反容疑で逮捕=が東京地検特捜部の調べに、テスト大会関連業務の入札実施前に各社の応札意向をまとめた一覧表を組織委上層部に見せたと供述していることが関係者への取材で判明した。一覧表は特捜部が談合の立証の核に据える物証。競技や会場ごとに企業の名前が割り振られていたとされ、上層部は元次長らによる受注調整を疑う機会があったのに見逃した可能性がある。 関係者によると、元次長が一覧表を見せたと供述しているのは当時5人いた副事務総長の1人と上司だった大会運営局長。時期は競争入札を実施する流れが確実となった2018年1~3月ごろという。元副事務総長は東京都元副知事、元局長は現在は出向元の都の幹部を務めている。
荒井勝喜元首相秘書官の差別発言を受け、LGBTなどの性的少数者に政治がどう向き合うかが、通常国会の重要課題に急浮上した。岸田文雄首相は5月に地元の広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、超党派で議論されてきた「理解増進法案」の成立に向けて調整するよう自民党に指示。ところが、党内の動きは鈍い。その背景は――。 「野党は夫婦別姓や同性婚と結びつけようとするが、切り離して慎重に議論すべきだ」 7日の自民党総務会。複数のベテラン議員から理解増進法案の進め方にクギを刺す発言が続いた。「体は男でも心は女だからと女子トイレに入り、それをとがめたら『差別だ』では社会が混乱する」といった指摘も出た。 前日に岸田首相(党総裁)が茂木敏充幹事長に対し、同法案の成立に向けて調整するよう指示したばかり。ところが総務会の雰囲気は約1年半前とほとんど変わらなかった。 総務会は2021年5月28日にこの法案
LGBTに関する課題を考える議員連盟の総会で発言する岩屋毅会長(手前左)。同中央は稲田朋美会長代理=衆院第1議員会館で2023年2月15日午後3時14分、竹内幹撮影 超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」は15日、国会内で総会を開いた。自民党の岩屋毅元防衛相が新会長に選出され、2021年に同議連が作成して国会提出が見送られた「LGBT理解増進法案」を土台に、5月に広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)前の法成立を目指す考えを表明した。 21年の法案は罰則規定がない理念法だが、「差別は許されない」との文言などについて、自民党内で保守系議員が問題視して議論が紛糾し、国会提出が見送られた。岸田文雄首相の元秘書官のLGBTQなど性的少数者や同性婚に関する差別発言への批…
「動物のように扱われた」。遺族が怒りに震えた監視カメラ映像には、何が映っていたのか――。 295時間のうち5時間分の視聴許可 2021年3月、名古屋市の入管施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の様子を記録した監視カメラ映像を、記者が視聴した。亡くなる当日、ウィシュマさんの指先が冷たくなっていると報告を受けた職員が発したひと言には、思わず耳を疑った。 記者が閲覧申請して視聴を許可されたのは約5時間分の映像。亡くなるまでの13日間に撮影された約295時間分の映像の一部だ。遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、国側は22年12月に同じ映像を名古屋地裁に提出。遺族側は公開の法廷での上映を求めている。
家宅捜索のためKADOKAWA本社に入る東京地検特捜部の係官ら(左)=東京都千代田区で2022年9月6日午後0時58分、宮間俊樹撮影 五輪汚職・KADOKAWAの報告書(下) 角川歴彦前会長らが贈賄罪で起訴された出版大手KADOKAWAの東京五輪を巡る汚職事件では、他の大手出版社A社が途中で資金提供を断り五輪スポンサーを辞退したことが報道で明らかになっている。KADOKAWAのガバナンス検証委員会の調査報告書でもA社の辞退の件が触れられている。なぜA社は資金提供を断ったのか。 報告書によると、2016年10月に大会組織委員会の高橋治之元理事=受託収賄罪で起訴=から、KADOKAWAと大手出版社A社の計2社がスポンサーになる提案が示された。提案は高橋元理事の電通時代の後輩を通じてKADOKAWAに伝えられた。 提案には、スポンサー料とともに、元理事の後輩のコンサル会社に、KADOKAWAは7
辺野古の海に土砂が投入されてから4年を迎え、埋め立て工事現場に近い砂浜で工事中止を訴える人たち=沖縄県名護市で2022年12月14日、喜屋武真之介撮影 沖縄に基地をおしつけることで自分たちが安全を享受しようという側がいて、もう一方にそれは仕方がないことだと受け入れてしまう側がいるというのはどちらにとっても良いことではない。 ただいかんせん、日本と沖縄のこの歴史は長い。ひろゆき氏の沖縄の人はきれいな日本語にならないなどの発言を見ても、現在だけの話ではなくて、琉球処分があり、同化教育があり、というところからスタートしている。 1609年(薩摩藩の琉球侵攻)から数えれば400年以上の状況がある。簡単に変わらないという諦めを持っている人も沖縄には多い。 日本の他の地方に行くと、あまりにも静かで驚く。戦闘機の爆音が聞こえないので胸騒ぎがする。こんな静かな夜はなにかあるのではないかと緊張する。 それぐ
元衆院議員の門博文氏が6日、和歌山市内で記者会見し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体との関係を巡る自主点検結果を公表した。落選した2021年衆院選の際、選挙事務所で電話を掛けるボランティアの支援を受けたことなどを明らかにし、「今後は一切関わりを持たない」と釈明した。 自民党が党所属の現職国会議員に対して実施し、22年9月に結果を公表した点検の項目に従って調査したという。ただ、落選後にほとんどの書類を破棄したといい、残された資料と記憶に基づくとしている…
東京オリンピック・パラリンピックの大会運営を担った組織委員会大会運営局の元次長が、日本陸上競技連盟からの出向終了直後に、談合疑惑があるテスト大会の業務を落札した企業と顧問契約を結び、顧問料を得ていたことが関係者への取材で判明した。元次長と落札企業はともに談合事件で東京地検特捜部の家宅捜索を受け、その後に契約は途中解除された。専門家は「『みなし公務員』の組織委職員には高い倫理観が求められる。癒着との疑惑を招きかねず、法令順守の面から問題」と指摘する。 元次長と顧問契約を結んでいたのはイベント会社「セレスポ」(東京都豊島区)。陸上競技の大会運営を得意とし、組織委が2018年に発注したテスト大会26件の計画立案業務では、陸上競技の会場となった国立競技場(新宿区)など5件を計1億1590万円で受注した。落札件数、金額とも落札企業9社の中でトップだった。
全国で相次ぐ強盗事件などを巡り、指示役とされる「ルフィ」と名乗る人物らが収容されているビクタン入管収容所=フィリピンの首都マニラ近郊で2023年1月28日午後2時16分、石山絵歩撮影 全国で相次ぐ強盗事件で、「ルフィ」と名乗る指示役の可能性がある4人の日本人がフィリピンの入管施設に拘束されていた。そこから日本にいる実行役に強盗の指示を出していた疑いがある。4人は何者なのか。なぜ、施設でそうした行為が可能なのか。最近まで数年間にわたって同じ施設に収容され、彼らをよく知るという60代の日本人男性が取材に応じ、その実態を明かした。 4人が拘束されているのは首都マニラにある「ビクタン入管収容所」。施設にいた男性は「職員に金さえ渡せば何でもできた」と当時の生活を振り返る。 男性によると、建物はワンフロアに8部屋あり、1部屋に4人が暮らす。エアコンはないが、勝手にエアコンを設置してしまう者も少なくない
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