『50にして煙を知る』第6回 芸術品と見るか、吸う道具として 楽しむか ご存知のとおり、私のパイプ歴は2年に満たない素人である。取り立ててパイプの歴史や道具についての知識もないが、日本パイプスモーカーズクラブに入れていただき感心したのは、とにかくタバコの味を愛する人、パイプそのものを集めるコレクター、その両方が好き、といった3種類の人々が交じり合って、一種独特の世界を形成していることだ。 好きっていうのは、本当に楽しいことなんだなあ、なんて、いまさら言うのもおかしいけど。 しいて言えば、私はパイプの形を眺めて楽しむほうから入り、おっかなびっくり吸うようになったタイプだと思う。 1年あまりの喫煙歴の中で、10本に満たないパイプを所有しているに過ぎないが、最近、実に吸いやすく、こればっかり使っているパイプと、「こんなコンパクトで、美しいパイプがあるのか」と思い、入手してから、毎日触って眺めてい