取引に関与した企業・団体が「うまみ」を分け合っていた――。 16日、大阪地検特捜部が、広告主だった大手家電量販店「ベスト電器」(福岡市)などの強制捜査に乗り出した郵便法違反事件。約1190万通発送されたダイレクトメール(DM)で同社などが不正に免れた郵便料金は約13億円に上ったという。印刷・通販会社「ウイルコ」(石川県白山市)が広告会社「新生企業」(現・伸正)との間で問題の取引を始めたのは、創業者の若林和芳会長(57)の意向だったとされる。不正全体の構図が暴かれようとしている。 「格安で郵送できるDMがある。上場企業が何社も利用し、障害者にも役立つ」 2005年5月、大手広告会社「博報堂」の九州支社(福岡市)にウイルコの担当者が営業に訪れた。ウイルコはすでに新生企業と組んで自社商品のDMを大量発送しており、障害者団体のための割引制度による差益の大きさを知り尽くしていた。 “格安”の取引話は