先日おみせした「識字のユニバーサルデザインにむけて」という文章ですが、なかでも注目していただきたいのが、石川准(いしかわ・じゅん)さんの「配慮の平等」という視点です。いしかわさんは、盲人のプログラマで社会学者でもあります。いしかわさんは何度も何度も強調して、表現をかえて「配慮の平等」という理念を提示しています。その姿勢はとても参考になるものです。いしかわさんは、つぎのように議論しています。 多くの人は「健常者は配慮を必要としない人、障害者は特別な配慮を必要とする人」と考えている。しかし、「健常者は配慮されている人、障害者は配慮されていない人」というようには言えないだろうか。 たとえば、駅の階段とエレベータを比較してみる。階段は当然あるべきものであるのに対して、一般にはエレベータは車椅子の人や足の悪い人のための特別な配慮と思われている。だが階段がなければ誰も上の階には上がれない。とすれば、エ