土俵上で懸命に救命活動をする女性に「降りて」とアナウンスした日本相撲協会の対応が物議を醸している。大相撲における「女人禁制」はどのように「伝統」となったのか。 奈良時代の古事記や日本書紀に記述があり、1500年以上の歴史があるとされる相撲。なぜ、大相撲の土俵は女人禁制になったのか、いつからなのか。高埜(たかの)利彦・前学習院大教授(日本近世史)は「よく分からない」と話す。一方、中世から寺社の造営や修復の費用を集めるために開かれてきた「勧進(かんじん)相撲」が、江戸時代に権威と人気を得て大相撲につながる過程で、タブーが強化された可能性を指摘する。 まず、江戸時代の勧進相撲で…