「日米関係は、マスコミが書いているように本当に危機的なんですか?」。半年間、政治部で外交安保問題の取りまとめを担当してきて、驚くぐらい多くの人たちからこの質問を受けてきた。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、鳩山由紀夫首相が約束した「5月末」決着が絶望的になり、首相が核安全保障サミットで訪米した際には、オバマ米大統領との正式な会談さえ実現しなかった。気の早い政界では、内閣総辞職、衆参同日選もあるのでは、との観測が飛び交う。だが、仮にそうやって仕切り直すことで首相の責任論には決着がついても、普天間問題は解決しない。 冒頭の問いには、次のような不信感が込められていると思う。▽これまで日本は日米同盟関係の現状を所与のものとして受け入れ、米国に対してきちんと主張せず、国益を損ねてきたのではないか▽大手メディアもそういう体制の一角をなしてきたのではないか▽現体制に挑戦しようとする鳩山政