政府は新しい防衛大綱に「いずも」型護衛艦の事実上の空母化を盛り込み、南西諸島周辺や、基地のない太平洋への進出が目立つ中国に備える構えを強める。ただ空母化には、「専守防衛」を逸脱するとの批判がつきまとうため、「防衛目的」を強調することになる見通しだ。自民党は5月に「多用途運用母艦」を導入する提言をまとめており、政府・与党で慎重に用途や名称を詰める。 岩屋毅防衛相は27日の記者会見で「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」と述べ、改修に前向きな考えを示した。防衛大綱に関しては「与党や(政府の)有識者会議の意見も踏まえ、しっかりと詰めたい」と語った。