「風神雷神図屏風」であまりにも有名な俵屋宗達と、国宝「楽焼白片身変茶碗」など傑作を遺し「寛永の三筆」の1人でもあった本阿弥光悦。この2人を祖とし、のちに尾形光琳や酒井抱一らによって継承・発展を遂げてゆく「琳派(りんぱ)」という流派についてはご存じの方も多いでしょう(「琳派」についての解説はこちら)。 凛とした洗練されたイメージのある琳派ですが、その中でひとり、「かわいい」とか「おおらか」という言葉で作風を表現される画家がいます。 その人の名は、中村芳中(ほうちゅう)(?~1819)。生年は不明で、彼の生涯を知る文献資料は乏しく。謎多き絵師です。 大坂で指頭画の名手に 芳中は、京都に生まれて絵の修業を積み、青年期に大坂に移ったことは知られています。最初から琳派の作風に傾倒したわけでなく、当初は文人画を描いていました。 芳中は、大坂で暮らしているうちに、徐々に琳派へ惹かれていきました。ただし、
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