そいつは毎回、飲み会の後半あたりになると決まってこう言う。 「増田っち、一回ヤらせてよ。」 彼とは高校時代、2年生の1年間だけ同じクラスだった。 私は所謂スクールカーストでいうと中の下のあたりと自覚していたし、特別男子と仲が良い女子とは言えない方だった。 かといって男が苦手という訳ではないから、話しかけられれば話すし、仲良くなった人とはそれなりに話していた。 彼は割とお調子者で、クラスの中では男子の中心で騒いでいるような、そんなタイプ。 正直、高校時代にそんなによく話をした記憶はない。 彼は、私が当時付き合っていた人と仲が良く、イジられやすかった彼氏をめちゃくちゃからかって、私までからかわれていた。 だから私はむしろ彼のことが少し苦手だった。 卒業して、お酒が飲めるようになった頃から定期的に飲む仲になった。 きっかけは多分クラス会。 もう記憶も曖昧だけれど。 向こうから連絡が来て、私の予定