<ギリシア問題の根幹は生産力不足> ギリシア問題の根底にあるのはギリシア国内の供給能力の不足です。そしてギリシアのように供給能力が不十分で国際競争力のない国が、ユーロを採用してドイツをはじめとする競争力の強い国々と通貨統合するとどうなるか?それはある種の「わな」のようなものです。通貨統合は人々に幸福をもたらすとは限りません。通貨統合すれば「弱肉強食の世界」になるのです。なぜそんなことが言えるのか、考えてみました。 <通貨統合前のギリシアは貿易収支は自然に均衡していた> ギリシアは貿易赤字国です。貿易赤字ということは、ギリシア国内の生産だけで自国の人々の需要を満たすことが出来ないため、不足分を輸入に依存しているということになります。つまり国内の生産能力が不足した状態です。ところで、貿易赤字が続くと貿易代金の支払いのためにおカネがどんどん国外へ流出してしまいます。まず通貨統合前の状態を考えてみ