2018年、パプアニューギニアのワナン村の郊外でかすみ網に捕らえられた、毒をもつ鳥カワリモリモズ。(PHOTOGRAPHS BY KNUD JØNSSON) 1989年の夏、米シカゴ大学の大学院生で鳥類学者の卵だったジャック・ダンバッカー氏は、調査のため、パプアニューギニアの緑豊かな熱帯雨林を初めて訪れた。ある蒸し暑い午後、仕掛けておいたかすみ網に、黒とオレンジ色の華やかな羽毛をもつ珍しい鳥がかかっていた。ズグロモリモズ(Pitohui dichrous)だ。「カケスぐらいの大きさで、針のように鋭い爪と嘴をもつ鳥です」とダンバッカー氏。 氏はかすみ網から鳥をはずそうとして、引っかかれてしまった。とっさに傷口を唇にあてた。「すると、口の中がヒリヒリと熱くなり、やがてしびれてきました。しびれは夜まで続きました」 ダンバッカー氏が現地のガイドに相談すると、彼らは心得た様子でうなずき、あれは「クズ

