来年、2020年には、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される。その成功のために様々な準備が進められており、サイバーセキュリティもその一つだ。大規模スポーツイベントは、ハッカーたちの恰好の標的になる。大会運営者にとっては万全を期さなければならない問題だが、では、私たち一般市民にはどんな影響があるのだろうか?サイバーセキュリティを専門とする〔株〕FFRIの社長・鵜飼裕司氏に話を聞いた。 ICTの進化でサイバー攻撃の影響が大きくなった ――これまでの大規模スポーツイベントでは、どんなものがハッカーに狙われたのでしょうか? 鵜飼 やはり、最大の標的はオリンピックです。特に、2012年のロンドンオリンピック以降、大きな問題になりました。チケッティングやホテルのオンライン予約が一般化したため、サイバー攻撃の影響が大きくなったのです。 そこでロンドンオリンピックからは、民間の通信会社なども