『現代思想』2025年5月号の「表現の自由」特集の田中東子先生の「謳歌の後に来るものは?:「自由すぎる表現」の爆発的増加とその始末」という論文を読んで、少しコメントしたいことがあったので書いておきます。 現代思想 2025年5月号 特集=「表現の自由」を考える ―ヘイトスピーチ、ネット炎上、そして「トランプ2.0」…―青土社 Amazonの商品レビュー・口コミを見るAmazon この論文はオンラインでのさまざまな悪質な表現を扱ったもので、特にヘイトスピーチと性表現/ポルノを並列的に扱っているところに特徴があります。SNSでの女性に対する「ヘイトスピーチ」や女性バッシングを念頭においたものですね。田中先生自身がさまざまないやがらせにあっているらしく、そうした立場からの切実さが感じられるものです。 ただし、ヘイトスピーチのようなものとポルノを似たようなものだと考えるのは、一部のフェミニズムの主
